基礎 July 2021  

私は毎年6月に補習校のあさひ学園オレンジ校幼稚部の歯磨き指導を頼まれてしています。最初にしだしたのが2003年だったので、もう今年で18回目になります。コロナのせいで2020年だけは無く、そして今年はZoomでしました。Zoomでだったので今年はオレンジ校とサンタモニカ校両方頼まれました。5歳から6歳ぐらいの子どもたちになので、出来るだけ基礎的な事を簡単にと考えてしています。年に一度で、毎年新しい生徒たちで、つまりちょこっと会うだけではあるのですが、それでも子供たちがなんとなくでも歯磨きの大切さを覚えていてくれれば良いと思ってしています。小さなボランティア業と思っています。いつもとても簡単な事を子供たちに伝えているのですが、ある日、あれこれは大人の方たちにも大事なインフォメーションだと思いました。そこで、今回は子供たちに伝えている事をもとに本当に歯磨きの基礎と言えることを書きます。

いつもなぜ歯は大事なのかをまず子供たちに伝えています。もちろん歯は食べ物を噛むため、そして話すためにとても大切です。歯が無いと普通に噛んで食べている食事が出来なくなります。また、話す事も普通ではなくなります。みなさんには、もうひとつ体の健康についても伝えます。口内のばい菌は体中に回っていきます。また、歯と歯茎の間にばい菌が住み着き、歯茎が慢性的に炎症をおこしていると、この炎症物質は血流をとおして体中に回り、いろいろな箇所が病気になりやすくする事をします。つまり、口内の健康は体の健康のためにもとても大事なのです。

また、なぜ歯を磨く事が大事なのかを伝えています。これは、歯にいつもくっついていくばい菌をとりのぞくためです。口内には常にばい菌がいて、このばい菌たちはべたべたしたものを作っていつも歯の表面にくっついていきます。そして、歯に付着している虫歯菌が歯に穴を開けます。べたべたしたものの中にばい菌たちは住むので、この歯垢は物理的に毎日取り除く必要性があります。

そして、なぜ甘いものをいつも食べて、歯を磨いていないと虫歯が出来てしまうのかを伝えています。簡単に甘い物は虫歯菌の好物だからで、甘い物を口に入れた途端に虫歯菌たちはおいしい餌を与えてくれたと喜び、甘い物をどんどん食べて元気になってすごく繁殖するのです。しかも、この餌を食べる際に虫歯菌は酸を出します。この酸が歯を溶かしてしまい、この事が積み重なると歯に穴が開き、虫歯が出来てしまいます。子供たちには、虫歯菌はとても元気になって歯に穴を開けてしまうと伝えています。

子供たちには、この3つの事を質問して伝えた後に歯の磨き方を伝えています。歯磨きは1日に2回は磨いて下さい。夜寝る前と朝起きた時です。この理由は、寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、つまり虫歯菌は流されなくなり、しかも唾液による殺菌作用も少なくなるからです。寝ている間は虫歯菌がとても繁殖しやすい時なのです。従って、寝る前に出来るだけ歯の表面から虫歯菌を取り除いておけば、それだけ虫歯菌の繁殖の量が減るのです。また、どれだけ寝る前に良く磨いたかにもよりますが、起きた時も残っていた虫歯菌はとても繁殖して多くなっているのです。そこで、起きた時にも歯を磨いていただきたいのです。

あれ、食後に磨くのはどうなのか、と思われる方もおられるかもしれません。私は、普段から子供たちだけでなく大人の方にも特に食後に磨きなさいとは伝えません。するなとも伝えませんが、これは朝晩磨く事の方がそれよりも大切だからです。虫歯菌が歯についていなければ、どんなに甘い物を食べても虫歯にはなりません。つまり、食事をとって虫歯菌に餌をあげてから虫歯菌を歯の表面から除くよりもその前に取り除いておく方が理が適っています。しかも、虫歯菌は甘い物を口に入れるとすぐに食べて酸を出し始めます。もし食後に磨くのであれば、20分から30分は待ってからして下さい。これは、食事を終わらせてから口内の酸を唾液が中和するまで20分から30分かかるからです。この事についてはもう少し詳しく前に、歯を磨く理由 September 2014歯磨き注意事項 February 2018 の記事に書いているので、宜しければ当医院のホームぺージ上でお読みください。また、宜しければついでに、歯磨きの基礎 January 2009 もお勧めします。

子供たちに伝えている事に戻ります。フロスは1日に1回はするようにと伝えています。私が伝えるとだいたいの子どもたちはフロスを知っていて、してると言ってくれます。とても良い事です。当たり前なのですが、歯と歯の間は歯ブラシだけでは掃除が出来ません。何かしらを間に入れてきれいにする必要性があります。1日に1回はするようにと伝えていますが、これはもっとして良いです。

そして、もうひとつ、これも当然の事なのですが、とても大事な事と子供たちに伝えている事が、歯を磨く際には歯の表面を全部磨くという事です。ある個所だけ磨くとかちょっと軽く磨いたふりをして終わりではあまり磨く意味がありません。だいたい歯全体を良く磨くのには2分はかかります。虫歯菌、そして実際は歯槽膿漏にする菌も、磨く時には出来るだけ良く取り除いてください。微生物なので目で見えませんが、顕微鏡で見ると歯の表面の歯垢内にはうようよといて動いていてしかもいつも歯の表面にくっついていき繁殖していきます。

今回は本当に基礎的な事を書いたのですが、基礎はとても大切です。みなさん、毎日良く歯を磨いてフロスをして、そして歯医者での定期検診とクリーニングもしてください。普通は6ヵ月ごと、もし歯槽膿漏にかかってしまった事がある方は3ヵ月ごと、がお勧めです。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

最後に歌をお教えします。いつも子供たちと一緒に歌っています。Row Row Row Your Boat の音楽に合わせて歌ってください。本来、簡単な振り付けがあります。

“歯を歯を磨こう! 良く磨こう! 上と下と右と左良く磨こう!”

       

 

 

 

 
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