歯磨きの基礎 January 2009


あけましておめでとうございます。今回は新しい年の始まりですので初心にもどるという考えでとても大事な歯磨きの基礎について書かせていただきます。

まずは歯を毎日磨く必要性の理由を説明します。通常、歯を磨く理由は食物のかすをとるためと考えがちですがそれだけでなく一番の歯を磨く理由は歯の表面から歯についているバイキンをとるためです。口内には非常に多くのバイキンが存在していてこのバイキン達はいつもいつも繁殖し、また歯の表面に付着していきます。バイキンは粘着力のある成分を出しそして歯の表面にくっついていくのですがこの際一匹ずつ付いていくのではなくたくさんのバイキンがねばねばした中に群れをなして歯の表面についていきます。そこで実際はバイキン達が歯の表面に大都市を築いていると考える事が出来ます。そしてこのたくさんのバイキンが歯についているそのものが歯垢(プラーク)です。バイキンは微生物で目には見えないのですがあるていど歯垢が増えてたまると歯についているのが見えてきます。歯垢1gの中には10の12乗ぐらいのバイキンがいてしかもどんどん繁殖するのです。しかも実際は歯を磨いた直後からもうバイキンは歯につきまた繁殖していきます。つまり、歯を毎日磨く理由はこの歯垢を歯の表面から取るためなのです。

ではどの様にして歯をみがくべきなのか? いろいろな歯磨きの方法がなんとか法、これこれ法とありますがかんたんにはどういう方法でもきれいに歯垢がとれればいいわけです。しかしその中で考えて頂きたい事があります。家の中で何かの掃除をする時、でこぼこしていて溝がある場合そこにはブラシをあてて細かく動かして汚れをとるという作業をされているかと思います。大きくブラシを動かしても、おおざっぱに平らな所しかきれいにならないので何かの隅や溝の汚れは小刻みにブラシを動かしてとる必要性があります。歯はいろいろな形のものが並んであるものですので歯磨きをする際にも歯ブラシを細かくこちょこちょっと動かしてそれを全体にして下さい。歯ブラシはぐるぐる、縦、横といろいろ動かせますが細かくブラシを動かすという事を特に気にして下さい。また、私は歯ブラシの先を歯茎に45度にしてとお勧めしています。これは歯と歯茎の間にも歯ブラシがとどく様にです。

そして、していただきたくない事があります。歯の横を大きく水平には磨かないで下さい。やりやすいのでしがちなのですが、おおざっぱにしか汚れがとれず、またちょうど歯と歯茎の間の歯根に近いところは歯が弱い所なのでここを削ってしまう恐れがあります。テレビや映画で誰かが歯を磨いているのを観ると歯の横を水平に大きくごしごしとしている事が多いのですがこれはしないで下さい。

また、歯ブラシはソフトなものにして下さい。ミディアムやハードのブラシは歯を削ってしまう可能性があるからです。

歯磨きの回数と1回に何分すれば良いかですが、簡単には私は1日2回朝と晩に磨き、1回ごとには2分は磨いて下さいとみなさんに説明しています。実際、歯垢は常に増えて歯についていくものですのでもっと回数を増やして良いですし1回ごとの歯磨きの時間ももっと長くて良いです。1回に5-6分は磨かないと完全にきれいにはならないという考えもあります。しかし歯を1回ごとに磨いている長さは30秒ぐらいだけという方も多いと思います。2分は必ず磨くぞと考えタイマーや砂時計を使ってみるのも良いですし、またきまった音楽を聴いてそれで2分にするという事も出来ます。何かしら好きな曲があればそれを聞きながら歯を磨くというのも良いと思います。

電動歯ブラシはそれ自身が細かく動いてくれるという利点があり、また大体のものは2分のタイマーが付いているのでこれはやはり良い方法です。以前のニュースレターで書きましたが私はソニケアーを使っています。

また、歯磨き剤はたくさん使う必要性はなく1回ごとにだいたい直径1cmぐらいの分量でかまいません。

そしてもうひとつ大事な事柄があります。フロスで1日に1回は歯と歯の間を掃除する事を本当にお勧めします。歯と歯の間は歯ブラシが届かない所がたくさんあります。しかし歯垢はそこにもかまわずどんどんついていきます。もちろんフロスは1日1回よりももっとしてかまいません。私は1日に2回は必ずしています。歯を磨く前でも後でもかまわないのですが私は歯をみがく前にしています。フロス(糸ようじ)はだいたい50cmぐらいとって、両手の中指に巻きつけそして歯と歯の間を縦に歯をえぐってしてください。フロスはわりと歯と歯茎の間に入りますからそこも入る所まで入れてください。また、フロスをすると歯と歯の間に隙間が出来るのではないかときかれる事がたまにありますがそういう事はありません。歯と歯の間の掃除には歯間ブラシやウオーターピックを使う事も出来ます。どちらも良いものですがフロスと共に使ってください。

虫歯と歯槽膿漏の予防で本当に大事な基礎がこの毎日の歯磨きとフロスです。そしてそれと共に歯医者でのチェックとクリーニングも半年ごとにはすることをおすすめします。 通常は6ヶ月ごとなのですが歯茎が弱まっていたりすぐに歯石がたまってしまう人であればもっとひんぱんに歯医者でのクリーニングをする必要性があります。歯石というのは歯垢と唾液の中の成分とがいっしょに固まって出来るもので、歯石の中にはバイキンの死骸がたくさん入っています。歯石自身は虫歯の素にならないのですが、歯石の回りには歯垢が付きやすく、歯石は歯茎にあたって歯茎を傷めてしまうので歯槽膿漏の原因になります。そして歯石は歯ブラシだけでは取れないので歯医者で取ってもらって下さい。歯医者でのクリーニングは自分で歯を磨く以上に良く歯を掃除できます。残念ながら毎日の歯磨きとフロスでは届かない場所があったり、毎日きちんと良く磨かれていなかったりと言う事はどうしてもあります。ですから、予防の一環として歯医者での定期的なチェックとクリーニングは本当におすすめです。

 

 

 

 

 
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