口のストレッチ March 2022　　

オリンピック選手の方やそうでなくても運動をされている方はストレッチを毎日する事を心がけていると思います。スポーツをしていなくてもストレッチは体に良いものです。長い間、筋肉を伸縮する事をしていないと体が硬くなります。しかし、ストレッチを毎日続けると、筋肉の柔軟性が向上し、体の動きがスムーズになり、体への負担も減ります。この事は口の筋肉にも当てはまります。もちろん、噛むという動作は筋肉を縮めてしています。という事は逆に口を大きくストレッチして開けるという動作は筋肉の柔軟性にとって良い事と考えられます。とても簡単な事を言っているようですが、今回はこの事について詳しく書きます。

まず、歯ぎしりと歯の食いしばりについて書きます。この両方もしている際、私たちの筋肉はとても大きな力で上下の歯を合わせています。しかも、上下の歯が合わさっているという事は筋肉を縮めてしている事になります。つまり一方方向に力を入れて、しかも歯ぎしりはその状態で横に何回も歯を擦る事をしています。通常私たちはリラックスしている時には上下の歯を合わせる事はしていません。もちろん、マウスピースを歯にはめるという対策はあります。この事については以前記事で書いているので、よろしければ、歯ぎしりと歯の食いしばり May 2012 をホームページ上でお読みください。もちろん、起きている時は自分で気づけば止める事ができるのですが、寝ている時は無意識なので、ずっとし続けてしまう可能性があります。私たちにはこういう実際は体に悪いしぐさを癖にしてする事を体が覚えてしまいやり続けるという事をする事ができます。そこで、簡単な毎日の口のストレッチという方法が逆を突いて助けになり得ます。口をゆっくり大きく開けて、開けた状態を30秒保ち、そしてゆっくり口を閉じるという事を1日に4回、朝、昼、晩、寝る前と毎日して下さい。朝1回、昼1回とする時は何回も繰り返すのでなく1回で良いです。これ30秒はするべきだが60秒は長すぎるというデータがあるので、長くすれば良いとも思わないでください。いつもと違う筋肉が伸びた状態を体が覚えて筋肉が柔軟になってくれればとても良いわけです。ちょっと簡単すぎると思われるかもしれませんし、もちろんこれだけで、治るとはいえませんが、理に適っています。つまり、してみる価値がとてもあります。毎日するという事も大事です。

また、皆さんもご存知な顎関節症も関節の問題と考えられがちですが、問題が筋肉にある事も多くあります。これも同じ事で噛むしぐさばかりをしていると筋肉はそっちの方だけに固まってしまい、柔軟性が無くなる可能性が高いのです。ある日口を開けるのが少ししか出来なくなり、口を大きく開けようとすると痛いという事が起こった場合、筋肉が縮んだ状態で固まってしまっているという事が多くあります。もちろん関節の問題もあり得るのですが、筋肉であると、この口を大きく開けるストレッチを毎日する事で防げる可能性が大きくあります。額関節症にもマウスピースを口に入れるという事で関節への負担を減らす、また筋肉を完全に縮める事を出来なくする事でリラックスする方向に誘導するという対策法があります。実際は口のストレッチのための道具も販売されていて、これは簡単には口を大きく開けた状態のところへ支えとして歯と歯の間にはさむプラスチックと言えてしまうのですが、Gentle Jawというものがあり、これはオンラインで求められます。筋肉の痛みがある方であればこのような口を開けた状態を保つための道具は役立ちます。この Gentle Jawのサイトではもし痛みがあるのであれば、もちろん出来るところまで開けるので良いのですが、ストレッチ1回30秒を2時間おきにする事をすすめています。そして後にはメインテナンスとして1日4回は良いです。

そしてもう一つ口を大きく開けるストレッチが助ける事があり、それは歳をとってきた時に口の機能が衰えてしまうのを防ぐ、また衰えた機能を改善するという事です。口の機能が衰える事はオーラルフレイルと呼ばれていますが、これは老化現象で、口や舌をいろいろわざと動かす動作は予防と改善とになります。その中の一つが口を大きく開けるストレッチです。他にも舌を出して上下左右に動かす、また早口言葉を毎日言うなどいろいろお遊び的な事は実際はとても良い口や舌の体操です。

口のストレッチ簡単すぎると思われるかも知れませんが、簡単な事が実はとても役だつという事もあります。必要性を感じている方は毎日続けられるかと思います。顎関節症に関してはこれはまず歯医者さんに来てください。もちろん、毎日する事として歯磨きとフロスは大切です。ぜひ良くしてください。歯医者での定期検診とクリーニングもしてください。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。