歯ぎしりと歯の食いしばり May 2012

歯ぎしりを夜寝ている時にしている方が家族にいると、夜ぎりぎりと音をたてている事を聞かれているかもしれません。実際は寝ている間に歯を食いしばる方もおられ、この場合音はしません。私達の噛む力はとても強く、従ってどちらも歯にとても大きな負担を与えます。そこで、今回はこの寝ている時の歯ぎしりと歯の食いしばりについて少しくわしく書かせて頂きます。

私達の噛む力は半端ではありません。起きている時には70kg位の強さで噛む事が出来ます。もちろん個人差はありますが、つまり意識的に自分の体重ぐらいの力で噛みしめる事ができるのです。しかも寝ている間は起きている時の2倍から6倍の力で噛みしめる事が出来、実際に歯ぎしりか歯の食いしばりをしている方におこっている事がわかっています。えっ!と思われるかも知れませんが、脳からの抑制が寝ている時には無くなり、従ってすごい力をくわえる事が出来てしまうのです。誰もが歯ぎしりや歯の食いしばりをしているのでは無いですし寝ている間ずっと同じ力で噛むのではないのですが、もしも寝ている間にどちらかをしているのであると歯に非常にすごい負担をおわせているのです。

歯ぎしりも歯の食いしばりもはっきりした原因はわかってはいないのですが、ストレスが大きな原因だと考えられています。つまり何かをする事によって体がストレスを発散させストレスに対応しているのです。従って、変に歯に負担を与えてしまわない様に歯の噛み合わせを良くする事は大事なのですが、そうすれば歯ぎしりと歯の食いしばりが無くなるのではありません。

しかし、歯の噛み合わせを良くする以外に歯への負担を減らす良い方法があります。寝る時にマウスピースを歯に付け、上下の歯が直接当たらない様にする事です。このマウスピース(ナイトガード)にはいくつかの利点があります。まずは口内に何かしら硬い物が入っていると私たちの脳はそれに対応して噛む力をやわらげてくれるという事です。寝ている間ですから無意識なのですが、体がちゃんとそうしてくれるのです。しかし、だいたい10%~15%の方は3~6週間ぐらいたつとマウスピースをしている事に体がなれてしまい、噛む力がもとに戻ってしまう事も知られています。それでも確率的には噛む力がもとに戻らない方が多いのでマウスピースをする価値があります。そして、マウスピースをしていれば上下の歯が直接あたる事はないので歯ぎしりをしても歯が削れる事はなく、そのかわりにマウスピースが削れてくれるのでこの際の歯へのダメージを避けられるという利点もあります。また、マウスピースをしていると上下の歯の間が抑えられているので、顎の関節も押されず、そこへの負担も減らしてくれます。従って、どうしても口の中に何か入っていると寝る事が出来ないという場合にはマウスピースは使えませんが、そうでなければマウスピースをお勧めいたします。マウスピースを作られる際にはこのマウスピースをしている時での噛みあわせが大事ですのでこの調整ができる歯医者で作る事も大事です。

歯ぎしりや歯の食いしばりをしている方によく診られるのが歯が削れていたり割れたりしている事です。じょじょにダメージを与えていくものですので、症状も長い間無い事が多いものでもあります。しかも歯へだけではなく顎の関節や筋肉にも大きな負担があります。ですから、問題が悪化してしまう前にマウスピースを作って使って下さい。また、ストレス解除のために出来る事をいろいろする事もお勧めします。寝る前に顎をリラックスする事を自己暗示するだけでも効いてくれる可能性があります。歯ぎしりや歯の食いしばりをしているかもしれない、また家族の方がしていると思われましたらご連絡下さい。

 

 

 

 

 
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