サメの歯と人間の歯 September 2017

さて、"サメの歯を全部抜いたらどんな性格になるでしょう?" "話し上手(歯無しジョーズ)"。まあね、と思われるかもしれませんが、実際にはサメの歯は抜けてもそこに2~4日後に新しい歯がもうあるようになります。本来サメの歯はどんどん作られていき、抜けてもそこに次の歯が納まるように出来ています。随分人間の歯とは違いますが、今回はサメの歯と人間の歯を比べて、そして、歯を大事にすることについて書きます。

サメの歯は口内に一列あるのでは無く、サメの種類によって、2列、3列、また5列という風に沢山並んでいます。そしてこの最初の列の歯が抜けると次の列の歯がそこに移動するようになっています。しかもこの歯たちはいつも一番最後の列で新しく作られていきます。つまり、きりがありません。ただ、サメの歯には歯根が無く、つまり抜けやすい歯なのです。従って、サメの歯はどんどん抜けていき、また出来上がっていき、サメの一生のうちにはサメの種類によって2万から3万ぐらいの歯が作られて抜けていくという事が起こります。つまり、サメにとっては歯は使い捨てのものとも言えます。そして、サメの歯は、大小の差はありますが、みなとがっていて、何かを噛み砕くためには出来ていません。これはサメは獲物を刺して,ちぎって、そして飲み込んで食べているからです。

もちろん、人間の歯が抜け変わるのは乳歯から永久歯へと一度だけです。ちょっとだけ考えるとサメのように人間の永久歯も生え変わってくれれば良いのにと思われるかもしれませんが、実際は私たちの歯はとても私たちに良いように出来ています。サメの歯は歯根がないため、簡単に抜けてしまいますが、それが、新しい歯と交換する事を簡単にしています。それに比べ、私たちの歯には歯根があり、簡単には抜けないように出来ています。もちろん、歯槽膿漏で骨による支えが無くなってしまえば、抜けてしまうので、本当に予防に気を使って下さい。また、サメの歯はみな同じにとがっています。それに比べ、私たちの歯は前歯から奥歯まで、形がいくつかあり、食物をさいたり、噛み砕いたりを可能にしています。サメに良い歯があり、人間に良い歯があるわけです。乳歯から永久歯に代わるのは生まれた時には体が小さく歯も小さい必要性があるが、成長するともっと大きな永久歯が必要になるという簡単な理由にそっています。実際、私たちの歯はとても良く私たちの食生活を支えてくれています。ですから、大切にしてください。

また、サメの歯は虫歯にならないと言われています。実際にサメの歯が虫歯になっているという現象は一度も発見されていません。理由はいくつか考えられますが、ひとつ解っている事があります。サメの歯の表面にはフッ素が多量に結合されています。人間の歯と同じに表面は主にリン酸カルシウムで出来ていて、そこにフッ素が結合している事で歯が硬くなっています。獲物をたくさんの硬くとがった牙のような歯で刺して切り裂いて飲み込むためにはとても有効的です。サメの歯と同じに人間の歯もフッ素と結合すると硬くなります。従って、歯磨き粉内のフッ素、そして歯医者で付けるフッ素は虫歯予防に役立ちます。ただ、フッ素は虫歯予防の助けであって、それだけに頼ってしまう事はしないでください。毎日の歯磨きとフロス、また食生活にはやはり気を使って下さい。

サメは虫歯にならないのですが、実際は虫歯が多い生き物の種類は限られています。それは、熊と人間と人間に飼われている動物です。熊は蜂蜜を好むからと言われています。そして、もちろん人間と人間に飼われている動物は糖分と洗練された炭水化物の摂取がとても多いからと考えられています。洗練された炭水化物は簡単に糖分に分解され、虫歯菌の餌になってしまいます。従って、近代ではとても糖分の摂取が多いので、簡単に人間にとっては虫歯は近代病だと言えます。完全に糖分と洗練された炭水化物を食べないという事は難しいですが、分かっていて気をつけていてください。

また、この英語での言い回しはあまり一般的では無いのですが、6歳ぐらいのお子さんに起こり得る歯の状態で "Shark Teeth" と呼ばれている事柄があります。6歳ぐらいの子供の下前歯の永久歯が乳歯の裏に生えてくる事があります。サメの歯は列になって並んでいるので、 この事をShark Teethと呼ぶ事があります。このように下前の永久歯が出てくる事は良くあることで大丈夫ですので、ご両親の方はまず安心してください。また、ホームページ内の記事お子さんの下の前歯 2001年 Fall-3もお読みください。

サメの歯に関連した事柄をいくつか書きましたが、本当に自分の歯を大事にしてください。毎日起きた時と寝る前にはかならず歯磨きをして下さい。フロスもしてください。定期的な歯医者での検診とクリーニング(通常6ヶ月ごと)、そして問題があれば早めの治療をして下さい。もちろん、検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 
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