自覚症状 November 2016

前に虫歯と歯槽膿漏は実際自覚症状があまり無いと言う事を書いています。(虫歯も歯槽膿漏も大部分痛く無い!? September 2012 をよろしければホームページにいって読んで下さい。)しかし、虫歯も歯槽膿漏も何も痛みが無くてもじょじょに進行します。しかも問題が大きくなればなるほど治しにくくなり、治療も大がかりになります。もちろん、そうなってしまう以前に予防に力をいれる事はとても大事です。自覚症状が無い場合、治療、また予防をおろそかにしてしまう可能性がありますが、そうしてしまうと、後に大きな口内の問題になるので、今回はこの事について書きます。

当たり前の事なのですが、虫歯は小さいうちに治すべきです。放っておけば、大きくなるだけで、また痛くなった時には治療は大がかりになります。小さいうちであれば虫歯を取り除いてその場で詰め物をして治せますが、大きくなればなるほど治療が難しくなります。もちろん、大きな治療も出来ますが、治療の時間も費用も多くなります。検診の際に虫歯を見つけた場合、これは緊急に治すべきなのかと聞かれる場合がありますが、本来は出来るだけすぐ治すべきなのです。それだけ歯そのものを保っておけます。また痛くないから痛くなるまで待ちますという方もたまにおられるのですが、これも随分悪くなるのをわかっていて待ってしまうことなのでするべきことではありません。

たまに患者さんから虫歯を治すと、また次に治す際にもっと大きく歯を削って治す事になり、それがずっと続くのではないかと聞かれる事があります。もちろん、歯は治してもその歯はまた虫歯になり得ます。しかし、きちんと治してあれば、そう簡単に問題は起こりません。そして、治してからの予防も良くしていれば、それだけ、次に大きな治療をしないといけなくなる可能性が減ります。逆に虫歯を放っておいて、大きくなってから治すとしてしまうと、問題はただ大きくなるだけで、虫歯が他の歯に移ってしまう可能性も高くなります。

また、虫歯は小さいうちにはみずから治る事があると聞いた事があるので、虫歯は発見しても初期のものであれば治すのは待って良いかと聞かれる事があります。実際は虫歯の始まる本当の初期にのみこの事は起こります。歯の表面では食事の際虫歯菌が酸を作った時、また酸性の飲み物のソーダなどを飲んだ時、ミクロの世界の事なのですが、少し歯が溶けます。そしてその個所は口内が中和すると共に唾液によって修復されます。この事はいつも普通に起こっていて、しかし溶ける方が修復よりも多い、また修復がついていけなくなると、虫歯の穴になってしまうのです。従って、まだ肉眼では見えない初期の虫歯のはじめのところでは理屈的には修復されるのですが、もうレントゲンでも肉眼でも診えているときにはもうその時期はこえています。従って、歯医者さんがこれは治すべき虫歯だと発見した地点では、もう自然には治りません。

そして、痛みというものにはとても個人差があります。歯の痛みでもちょっとの事で痛みを感じる方と大きな穴が歯にあいていても何も気にならない方とがおられます。しかし、虫歯は放っておけば、大きくなってしまいますし、最終的には歯を失くしてしまうことになりかねません。従って、本当に虫歯は小さいうちに、自覚症状がなくても治す事をお勧めします。

もちろん、同じ事が歯槽膿漏についても言えます。高血圧や動脈硬化症などは、気付かないでいて、ある日に重大な病気を、または死までも招く事につながり得ます。そこで、これらの症状は〝沈黙の殺人者" と呼ばれています。英語では〝Silent Killer"となり、しかしアメリカでは歯槽膿漏も "Silent Killer" と呼ばれています。歯槽膿漏は最終的には歯を失くす大きな原因であるので、歯を殺すという意味にもとれますが、実際は歯槽膿漏はいろいろな体の病気と関係しています。慢性的に歯槽膿漏になっているといつも体全体に歯茎からばい菌と炎症物質が血管を通して回ります。従って、いろいろな病気を悪化させます。そして、歯槽膿漏も大きな痛みは大部分ありません。確かに歯茎から血が出る、歯茎が腫れている、口臭がするという症状はありますが、自分では気がつかないか、あまり気にしていないという事は良くあります。従って、本当に歯槽膿漏も初期に治しておきたいものです。いや、それよりもその前に予防を本当にしていただきたいものです。歯槽膿漏は治しても一度なってしまうとまた戻ってくる可能性が高いのです。

歯槽膿漏についてはもうひとつ特別に触れておきたい事があります。たばこを吸っていると歯槽膿漏は悪化する、また治りにくいという事を前にニュースレターで書いています。(タバコは歯茎に非常に悪い September 2015 をホームページでお読み下さい。)たばこは歯茎に悪いという事はだいたいの方は解っておられると思いますが、それと共にたばこには歯槽膿漏の症状を隠す作用があります。たばこは血管を縮めるので、歯茎の腫れ、また歯茎から血が出るという症状は診えなくなります。だから大丈夫なのではなく、歯茎にも歯周骨にもずいぶんダメージをあたえます。ニコチンは歯茎と歯周骨を破壊する事を助けます。つまり、たばこを吸っていると普通でもあまり気付かない可能性のある歯槽膿漏をもっと気付かないでいるという事があります。

実際は本当に当たり前の事なのですが、みなさん自覚症状が無くても、歯と歯茎の健康の事を気にしてください。基礎的に大事な事が毎日の歯磨きとフロスですので、本当に良くして下さい。いつも書いていますが、歯磨きは起きた時と寝る前には必ずしてください。そしてフロスは1日に一回は最低にもしてください。定期的な検診とクリーニングも何も痛みなどの症状がなくても本当にお勧めです。もちろん、検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。

 

 

 

 

 
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