8020運動 November 2012

歯に関して日本には8020運動(はちまるにまるうんどう)というものがあります。これは80歳になった時に20本以上の歯を残す事を目標とする運動で、日本の厚生労働省と日本歯科医師会により推進されています。親知らずを入れると私達の大人の歯は32本あります。親知らず4本をぬくと28本なので、80歳までに8本までは失くしてもまだこの目標内に入ります。きっと人によっては80歳の時に20本も残せるのかと思うか20本しか残さないで良いのかと分かれた考えがあるかと思います。もちろん、齢が若ければ若い程80歳の時の歯の数の事などはあまり考えない事かとは思います。しかし、歯が多くあって良く噛めると言う事はとても体の健康に大事です。そこで、今回は歯と歯茎の健康を歳取った時まで保つ事について書かせて頂きます。

歯がたくさんあって噛める事はとても体に良い事ですので歳をとれば歯を失くすのはしょうがない事と思わないで下さい。歯が無ければ無いほど軟らかい食物しか食べられなくなり、また、入れ歯をしても噛む力は弱くなります。もちろん、今はインプラント治療で歯のように強く噛めるようにする事が出来ますが、自分の歯をとっておけるのであればそれに越した事はありません。良く噛む事が出来ると脳にも刺激を与え、ぼけを減らす事にもなります。噛む事の大切さについては前にニュースレターで書いているので、よろしければホームページで噛む事の大切さ Summer 2005-1卑弥呼の歯がいーぜ December 2008 をご覧下さい。

歯を出来るだけ長くまた多く保たせるためには、虫歯と歯槽膿漏の早期発見と治療はとても大事です。当たり前の事ですが、あまりにも虫歯や歯槽膿漏が悪化してしまっている場合には歯を抜くしか治療方法はありません。歯槽膿漏によるダメージは治療によりそれ以上悪くならないようには出来ますが歯槽膿漏で失くした骨は完全にもとには戻りません。従って、早く治せば治すほど歯を支えている歯周骨を多く保てます。また、虫歯は大きければ大きいほどそれだけ大きく歯の一部が無くなってしまいます。従ってこの歯の治療をどれだけ良くしてももし長い年月の後にこの歯にまた虫歯が出来てしまった場合にはもっと治療が大きくなります。もちろん手入れが良ければこの歯はこの次の治療無しで保ってくれるかもしれませんが、もしまた治療が必要でも最初の治療が小さな詰め物であればそれなりに次の治療は小さくてすみます。逆にクラウン等の大きな虫歯の治療がしてあってその歯に虫歯がまた出来てしまった場合には治しても歯があまりにも無いのでどこまで歯が保てるかが解らなくなります。従って虫歯は出来るだけ小さいうちに治す事はとても理に通っています。もちろん治療は良くないといけませんし、また歯に再度虫歯が出来ないように良く歯の手入れをする事は大事です。

やはり大事なのは予防です。口をすっぱくして言っているようですが、毎日の歯磨きとフロス、そして定期的な歯医者さんでのクリーニングはずっと幼い時からこつこつとしていれば歳を取った時にも歯を健康に保っている事に通じます。毎日する事は今まで出来ていなくても21日間続けてすると習慣化して毎日続けられる様になるという研究データがあります。従って、21日間頑張って歯磨きを朝晩、そしてフロスを少なくても1日一回としていただけると習慣化してずっと続けられる可能性がとても高いので是非試してみて下さい。

もちろん歯と歯茎の質、どのようなバイ菌が口内に住んでいるか、歯と歯茎の手入れをどれだけしているか、また食生活はどうかといろいろな事が関わってきてどこまで歯を残せるかと言う事になります。実際80歳まで歯を20本以上残す事は可能ですし、80歳で20本以上歯を持っている方はたくさんおられます。しかし、あまり8020の数値にこだわらず、自分の今の歯と歯茎の状態を見て、その中で出来るだけ歯と歯茎の健康を保つ事を考えて下さい。誰にもとても大事な事は子供の時からずっとする予防です。毎日良く歯磨きとフロスをし、定期的に少なくとも6ヶ月に一度は歯医者でチェックとクリーニングをして下さい。また、虫歯も歯槽膿漏も出来るだけ早めに治して下さい。歳を取った時にも噛みごこちの良い健康な日々が過ごせます。歯を大事にする文化はアメリカには根強くありますが、日本ではそれほどではないようです。しかしこの8020運動はとても良い方向への道です。チェックアップ、クリーニング、また治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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