水道水のフッ素 November 2007

２００７年１０月２９日から南カリフォルニアの水道水に入っているフッ素の量が増えました。詳しくはMetropolitan Water District of Southern Californiaからの水の中のフッ素の量が0.1~0.4ppm(mg/L)だったのが0.7~0.8ppm(mg/L)になったという事でみなさんも水道局からの毎月の請求書の中にこの事が記されているのをみているかもしれません。これは一般大衆の虫歯の数を減らす事が目的でアメリカでは水道水にフッ素を入れている地域が多くあります。日本では過去には３地域フッ素を水道水に入れていた所があったのですが今は私の知る限りされていません。水道水は毎日使うものですから今回は水道水内のフッ素について書かせていただきます。

みなさんもご存知だと思いますがフッ素は歯を硬くしてくれる要素でしかも多少抗菌作用もあり虫歯予防にはとても役立っています。よって歯磨き粉に入れてありまたお子さんであれば歯医者で６ヶ月に一度は歯にフッ素を塗ってあげるという事をしています。そして外から歯につけるだけでなく服用して体内から歯を強くするという考えがありアメリカではお子さんにビタミン剤のようにフッ素を与えるという事をしています。という事はもし毎日の飲み水に適量のフッ素が入っていたとすれば外からも中からも誰もの虫歯予防になるという理由で今回南カリフォルニアの水道水のフッ素量が増されました。

しかしここで気をつけるべきことがあります。フッ素を服用する場合には適量というものがありそれ以上は飲んでいただきたくないのです。前に記した0.7~0.8ppmというのはちょうど多く飲んだとしても大丈夫でしかも虫歯予防に効果がある量と考えられています。またppmというのはparts per millionまたはmg/Lの事でつまり1ppmは1,000,000分の1(100万分の１)ととても少ない量でもあります。しかしそれでも歯が出来上がってくる子供の時に少し多くとってしまうと歯が変に白くまたは茶色くなってしまう場合があります。また飲み水の中に5ppm以上フッ素が入っていた場合骨硬化症になるうると考えられています。

そして、人によって水道水を飲む量というのはとても異なり、しかも水道水を飲んでいてももし浄水器を使っていた場合フィルターによってはフッ素が取り除かれている事もあるので誰もが同じだけフッ素を摂取するのではないといえます。Reverse Osmosis Membrane Filtrationはフッ素を取り除きActivated Carbon Filterは取り除きません。また、水はボトルで買って飲んでいる方も多くいます。だいたいのボトルに入っている水のフッ素量はゼロに近いのも確かです。

しかも全ての地域がMetropolitan Water District of Southern California　から100％水をとりいれているのでもありません。この辺ではLaguna Niguelの方は100%, またHuntington BeachとFountain Valleyは昔からフッ素の量は0.7~0.8ppmなので変化はありません。　Irvineは35% Metropolitanからの水を取り入れているので前まで量が0.4ppm位だったのが今回だいたい0.6ppmに変わります。Irvine は水を配布してくる場所が季節によって違うので１１月から３月までぐらいはもう少し多いとも考えられます。

では実用的にはこのインフォメーションはどう使うべきか？まず簡単に言えることはもし今までお子さんにフッ素補助剤を飲ませていたのであれば今からはしないでよいという事です。水道水からの水を飲んでいないお子さんだけ特別に使用する事は出来ます。また、赤ちゃんには１歳までは水道水を毎日は飲ませないようにして下さい。

水道水には関係ないのですがお子さんがフッ素をとりすぎないように気をつける注意事項を記しておきます。フッ素入りの歯磨き粉は２歳までは使わず、２歳以上の子はフッ素入りの歯磨き粉は歯ブラシに豆粒ほどだけつけて使ってください。また６歳未満の子はフッ素入りのマウスリンスは特に歯医者さんから薦められていない限り使わないでください。これは６歳までは歯磨き粉やリンスを飲んでしまう可能性が高いからです。

フッ素を公共の水道水に入れる事には反対論もあります。確かに選択の自由が無いのではないかと言えますしフッ素摂取量のコントロールが難しいとも言えます。しかし大事なのは今あるものをどう上手に使うかですので上記の事がお役にたてば光栄です。フッ素についてもう少し知りたい方、また他に歯に関しての問題がある方はご連絡いただければお助けいたします。

（フッ素 【虫歯予防の大きな助け手】　Summer 2005 - 2 もご参照下さい。）