フッ素(虫歯予防の大きな助け手) Summer 2005 - 2 


フッ素とは
フッ素は簡単に言うと、歯をつくってくれる結晶と結びついて、その結晶を硬く、強くしてくれる要素であると言えます。歯をつくっている分子が結晶として並ぶなか、その分子の繋がりの中にきちんとした隙間が並んでいるのですが、丁度その隙間に結合し当てはまる事の出来る成分がフッ素なのです。これはミクロの世界の事なので肉眼では見えないですし化学者用にもっとこみいった説明も出来るのですが、簡単に言えば、フッ素によって歯の結晶中の隙間がもっとなくなり、歯は硬くなり穴が空き難くなるのです。またフッ素には多少抗菌作用もあると考えられています。よって、虫歯予防の為、歯磨き粉にフッ素が入れてあり、お子さんの場合、歯科では6ヶ月に一度フッ素を歯に塗ると言う事をしています。

お子様に飲んでいただくフッ素
またアメリカではお子さんにフッ素を小さい頃からビタミン剤のように与えると言う事をしています。この場合のフッ素剤は液体、錠剤、チューアブル剤(噛み砕いて服用)と種類があります。フッ素を毎日定期的に子どもの時に服用していると、歯が出来あがってくる時に中から歯を強くするという効果があります。このフッ素剤は大体3歳から16歳ぐらいまで続けて使うと一番効果的です。場合によって小児科の先生から生後6ヶ月からも処方されています。
ここでとても大事な事があります。それは、フッ素剤を服用する場合、適量でなければいけないという事です。フッ素は服用した量が多すぎると、歯は硬くなるのですが、歯の表面が変に白くなったり、茶色くなったりしてしまうことがあります。また何年間も通常の5倍以上飲んでいると骨硬化症になると考えられています。薬にも食べ物にも適量というものがあるのと同じようにフッ素も適量を守って使うべきなのです。フッ素をフッ素剤として服用する場合には、まず歯医者さんで個々のお子さんにあった適量を聞き、それに従ってお子さんに与えてあげて下さい。 この適量というのは1日に0.25mg、0.5mg多くても1mgととても微量でもあります。実際錠剤の中のフッ素イオンはこの量の半分以下で、しかもこの飲んだフッ素の大体50%は体の外に出てしまうものでもあるのです。しかしこの微量を毎日摂り入れる事により体が歯を作っていく際に少しずつフッ素が歯の中に入り歯を硬くしてくれるということになります。フッ素は骨にも取り入れられるのですが骨はいつも新しく変わっていくのと違い、歯は出来上がると大部分その質はそのまま一生残るものでもあります。よって歯が出来上がってきている子供のときに毎日少しずつというフッ素服用は非常に効果があります。
アメリカではこのフッ素服用は普通になっていますが日本ではそうではありません。これは適量(また微量)でないといけないという点が大きく関係しているらしいのです。間違えて多く摂ってはいけないものですから。ですが、量に気をつけてきちんと毎日お子さんがフッ素を飲んでいるとお子さんが大きくなった時に問題なくとても虫歯の量が少なくなります。また、日本から来ていて日本にまた帰る方であってもアメリカにいる間だけでもフッ素剤は効果があるので私はお勧めしたいと思います。

歯に塗るフッ素
それではフッ素剤でなく歯の表面に塗るフッ素はどうでしょうか? 確かにこの場合、歯の表面だけが強くなるものではあります。実際塗ったフッ素が歯に浸透する深さは5ミクロンぐらいまでと解っています。ですが虫歯は歯の表面から出来ていくものなので、やはり虫歯予防に繋がります。通常歯医者さんではお子さんの場合半年に1度の検診の際にフッ素を歯に塗っています。この際のフッ素は歯に浸透させるために非常に濃度の高いものを使います。よってこの場合はお子さんがフッ素を飲み込まないように注意を払っています。実際、お子さんは嫌がって飲み込まないことがほとんどで、またちょっとだけ喉に入ってしまったとしても半年に1度のことなので、あまり気にすることではありません。

また歯医者さんでのフッ素塗料はお子さんだけでなく大人の方の歯にも効果があります。ただ大人の方であれば、まず虫歯をすべて治療し、その後に虫歯だらけであった方であれば、フッ素塗料を特別に塗ることをお勧めします。これは虫歯があった場合、その上からフッ素を歯の表面に塗ってしまうと歯の表面だけが硬くなってしまい、中のほうに入っている虫歯は硬い所でなく中の軟らかいほうにどんどん進んでいってしまうからなのです。お子さんの場合は大体虫歯があれば早めに親御さんが対処されますが、大人の方は虫歯を少しずつ治されるという場合が多くみられますので虫歯がある場合、フッ素塗料の前にまず虫歯治療からをお勧め致します。

そして年齢を問わず虫歯が出来やすい方であれば特別に歯医者さんから求められるフッ素ジェルを毎日自宅で使われることをお勧めします。このフッ素ジェルは毎晩1回、歯を磨いた後に歯ブラシで歯に塗るものです。このフッ素の濃度もとても高いものなので、飲み込まないようにして下さい。お子さんであれば、6歳未満の子には飲み込んでしまう可能性があるので、お勧めはしていません。

フッ素服用を考えておられる方へ
ともあれ、フッ素はうまく利用すれば虫歯予防のとても大きな助け手になってくれるものです。フッ素について、
また虫歯予防についてご質問のある方は当医院まで是非ご連絡ください。
虫歯を治すことはとても大事なことです。そしてそれ以上に虫歯予防は大事ですから。

水道水のフッ素 November 2007もご参照下さい。】

 

 

 

 

 
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