揮発性硫黄化合物      August 2026

なんだそれは?と思われるか知ってるよと思われるかですが、この揮発性硫黄化合物(きはつせいいおうかごうぶつ)は大部分の口臭の原因で、英語ではVolatile Sulfur Compounds(VSC)といいます。揮発性硫黄化合物と書くと長いのでここからはVSCと略しますが、私のようにアメリカが長く英語名だけでしか知らなかった者にはこの日本語訳は直訳ではあるのですがわざわざ言ってみたくなるめちゃおもしろい言い方です。実際、口臭の8割から9割はVSCが原因で、他には食物や何かの病気が原因な事もあります。このVSCは口内に住んでいるばい菌が作ります。今回はこのVSCについて、また口臭について書きます。

まず、ちょっと違う事を書きます。私たちは自分の口内から出た臭いがだいたいわからないのです。変な事なのですが、自分にすごく口臭があっても自分だけは気づかないという事は全然あるのです。じょじょに起こっていつも起こっていると脳がその匂いにはそっぽを向くという変な事がおこります。自分の口臭に関しては本当にそうなのです。えー!と思われるか本当だ!と思うかですが、単にそうなのです。ただ、この事の逆もあり、わからないので、自分は口臭があって困ると思っていても実際はそうではないという事もあるのです。変なデータがあり、口臭で困っているという患者さんの7割の方は別に変に口臭は無いというものです。つまり、気にしすぎる事があり、また気にするべきなのに全然気にしていないという事もあるのです。まーそういうものです。もちろん、いつもではないけど、たまに口臭があるという事もあります。

そもそも、においというものは空気中に漂うことのできる分子を何かしらが放出し、それを鼻の中の受容体が感知してわかるものです。これ0.001秒ぐらいのすごいスピードで感知します。でも、という事はこの臭いをつくっているばい菌を退治するまたはその数を少なくする事は口臭を無くす事になります。また、この臭いの分子を破壊するまたは違う分子に変えてしまうという事ができれば、やはり臭いは無くなります。

従って、口臭の対応はまずは口内のばい菌を出来るだけ取り除き、そして殺菌するという事になります。当たり前すぎる事ですが、ばい菌たちはいつもいつも歯に粘々したものを作りくっついていくので、毎日歯磨きとフロスで取り除く事が不可欠です。そして、殺菌する洗浄液で口を濯ぐのは良いです。口臭のばい菌は主に歯槽膿漏のばい菌です。また、舌にもばい菌がつくので、ここもこすって掃除をしてください。自分では取りきれ無い歯垢や歯石をとるために歯医者さんでの定期的な検診とクリーニングもしてください。   

もちろん、もうひとつの対応はVSC分子そのものを破壊するか変えてしまう事です。面白い事にVSCには知る限り3種類の違う分子があり、それぞれ違う臭いなのです。つまり臭さにも香りの違いがあります。ただ、どれにも硫黄(Sulfur)が入っています。二酸化塩素 (Chlorine Dioxide)はVSCの分子を破壊します。そして亜鉛(Zinc)はVSC内の硫黄(Sulfur)に結合し分子を匂わないものに変えます。二酸化塩素には殺菌作用もあり、またすぐにVSCを破壊します。でも長く口内に残りません。亜鉛はもう少し化学反応が遅いですが、歯や粘膜に残りやすいので、効いている時間は数時間あります。私自身は出来るだけ良く歯磨きとフロスをし、そして二酸化塩素の入っている洗浄液のClosysというものを使っています。ただ、私はioRinseというぜんぜん違う洗浄液も実際はClosysと交互に使っています。これ単にioRinseは殺菌作用がとても良いからです。ただ、VSCの破壊という意味では二酸化塩素はめちゃ良いです。もちろん洗浄液で亜鉛がはいっているものもあり、それもありです。いくつか市販されている洗浄液で二酸化塩素や亜鉛が入っているものがあり、アメリかではClosysやTheraBreathがあります。他にもあるので、中にある成分を調べて購入してください。ただ、私は洗浄液でアルコールが入っているものはあまりお勧めしません。アルコールは口内を乾かしてしまう可能性があり、ばい菌は口内が渇いているととても繁殖します。亜鉛に関しては面白い事に風邪を治すためのトローチとしても普通に市販されていて、口の中で舐めて溶かすのですが、割と長く口内においておくので、理屈上口臭にも効きます。ただ、亜鉛は口内に変な感触を残します。また、亜鉛は多く飲み込んでしまうと吐き気や腹痛を起こす事があるので、現実的には風邪用のものは毎日使うものではなく、風邪の時のみに使うべきです。一応、亜鉛の量を少なくした毎日使えるトローチもあります。

VSCそのものを対応することは出来るのですが、VSCを作っているばい菌たちの対応は根本的にもっと大事です。ですから、歯槽膿漏の予防や治療は本当にして下さい。もちろんみなさん、毎日歯磨きとフロスをよくしてください。歯医者さんでの定期検診とクリーニングもしてください。

定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

       

 

 

 

 
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