虫歯の進行段階 　November 2023

アメリカでは11月にはサンクスギビングデー（感謝祭）があります。17世紀にイギリスからメイフラワー号に乗り、2ヵ月の航海を経てアメリカにたどり着いたピルグリムたちが、まずは苦しい生活だった中、ネイティブアメリカンたちが農作物の作り方などを伝え、助け、そして翌年の11月にこのピルグリムたちが、このネイティブアメリカンたちを招き、収穫できた農作物と山で獲った鹿と野鳥の料理を囲み、皆で神の恵みに感謝したという事が始まりとされています。もちろんこんなに美化されたことだけが起こっていたのではなかったとも言われていますが、とても良い話です。感謝という意味では私は良い患者さんに恵まれとてもありがたいです。このニュースレターも人の助けになっているようで、読んでおられる事を伝えられるとうれしいですし、これもとてもありがたいです。普通に予防が一番大事なので、みなさん、毎日歯磨きとフロスを良くし、また定期的な歯医者での検診とクリーニングも是非してください。ところで、今回は虫歯の進行段階について書きます。基本的にCO,C1,C2,C3,C4と5つの段階があるのですが、まあこれは後でテストがあるので、覚えないといけません…という事はあ

もちろん、このCなんとかを覚える必要性は無いのですが、一応説明します。Cはカリエス(Caries)の事で、これは専門用語での”虫歯“です。ただ英語でもCariesは一般的には使われていなく、普通は虫歯の事をCavity とかDecayと言います。そして、COはCとO（おー）でゼロではありません。Observationの事で、つまりとても初期の虫歯でまだ観察しているだけで良いというものです。虫歯になる最初の時には歯は白くなり、この地点ではまだ再石灰化され大丈夫かもしれないというものです、でも逆に良く歯を磨いていなく、お菓子をだらだらと食べていると、もうすぐにだめになってしまうという要注意の地点とも言えます。

そして、この後はC1,C2,C3,C4とただ数字がついていくのですが、これ簡単にC1はエナメル質内の虫歯、C2は象牙質内まで届いてしまった虫歯、C3は歯髄まで入ってしまった虫歯、そしてC4はそれを超えて今度は歯がずいぶん無くなっていて、しかも歯根の先の骨の方まで化膿してしてしまっているという場合の虫歯となります。つまり、どれだけ虫歯が大きいかを表しています。

C1のエナメル質内の虫歯であると痛みは無いのですが、もう後戻りはできない、もう大丈夫ではない虫歯です。一応、エナメル質の厚さの半分以上虫歯が進んでいる場合は待たずに治すべきとされていますが、現実的にはレントゲンで診えてくる地点ではもっと大きくなっている事が多いです。そして、C2,　つまり象牙質に入ってしまった虫歯は本当にできるだけ早く治療するべきものです。象牙質の方がエナメル質よりも柔らかく、つまり虫歯の進行が早くなります。多く診る事が、硬いエナメル質には小さな穴が開いていて、しかし象牙質内には大きく虫歯が広がっているという状態です。エナメル質の殻が卵の殻のように虫歯に侵されている象牙質を覆っているという事があります。

ここで、一つ書いておきますが、虫歯はレントゲンで診えるものよりも大きくなっています。虫歯が進行する際、本当に先端の方ではまだ完全に歯が侵されてないので、レントゲンでもはっきり黒く診えません。私たち歯医者はレントゲンと共に口内でも歯を診、歯の変色、また歯が柔らかくなっているかを診て虫歯の状態を把握します。この柔らかさは本当に大きな虫歯だと蒸かしたサツマイモぐらいで、私たちが使う小さなスプーン上の器具でほじってすくい取れる時があります。虫歯になると歯はすごく柔らかくなって、そして溶けだして、歯には大きな穴が出来てしまうのです。みなさん、放っておくと歯がどんどんなくなってしまうので、虫歯は出来るだけ小さいうちに治してください。

C3の歯髄に達してしまった虫歯は神経に入ってしまっているので、すごく痛みがあって当然です。歯髄をとって根管治療をする必要性があります。そして、C4のそれ以上の場合はもうどうにか根幹治療で治せるか、または抜歯が必要になります。本当にこうなるまで放っておいていただきたくないです。もちろん、いろいろ悪くしてしまっても治す事は出来ます。従って、みなさん、治して、そしてその後は予防に徹してください。めんどくさいと思っても、毎日歯磨きとフロスを良くし、そして定期的に歯医者さんでの検診とクリーニングをしてください。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。