虫歯菌の飼育をする？　July 2023　　

虫歯になりやすい生活習慣はいくつかありますが、歯磨きをたまに、しかもちょっこっとしか、しなかったり、間食やだらだら食べる事を多くし、甘いものを良く食べるなどを続けてしまうとこれは虫歯菌を口内で飼育しているようなものです。当たり前の事の様ですが、どれも簡単にやってしまう事が出来るものでもあります。そこで、今回はちょっと詳しくこれらの事について書きます。

まず歯磨きの大切さについてばい菌の数と共に書きます。虫歯の菌は歯にべたべたした歯垢としてどんどんついていくので、毎日歯から歯磨きとフロスで物理的に取り除く必要性があります。ここで、ばい菌の数について書きます。1mgの歯垢内には100億のばい菌がいます。そして、平均してだいたい10mgは普通に一人の歯の表面についているという事を調べた結果があります。私は良くこんなことを調べた人たちがいたものだと思いました。でも、という事は、1000億のばい菌が普通に歯の表面についているという事になります。しかも、ばい菌は放っておくと24時間で5倍の数になる事がわかっています。つまり歯を24時間磨かないと5000億のばい菌が歯の表面についている事になります。バクテリアは歯の表面だけでなく、歯茎や舌の表面にも付く事が出来るので、口内にはもっとばい菌がいるとも言えます。ただ、もちろんこれは計算上の事で、実際バクテリアの種類はたくさんあり、全部が虫歯菌では無く、またバクテリアは繁殖し、そして死んでいくものもあり、唾液がどれだけバクテリアを流してくれるかなどいろいろな事がこの数値を変えていきます。しかも虫歯のばい菌に栄養素の糖分をどれだけあげているかという事も関係します。でもこの5000億という数値は簡単に口内で起こり得ます。しかも、この繁殖は5000億で止まるわけでもありません。もちろんある程度は私たちは飲みこんでいるわけです。でも半端な数ではないです。見えないだけで、見えていたら、めちゃ気持ち悪い生物たちが口内でたくさんひしめいていてしかも動いているのです。恐怖映画のようなものです。虫歯菌が口内に多くいるという事はそれだけ虫歯になりやすいという事です。歯磨きをしないという事は虫歯菌にどうぞ住んで、繁殖してください、と菌を飼育しているようなものです。従って、歯磨きとフロスは本当に毎日良くしてください。歯垢を毎日良く磨いて取り除く事はとてもとても大事です。一つたしておきますが、虫歯菌があまり口内に住んでいない方がおられるのですが、そういう人でも歯周病のばい菌が口内にたくさんいる事があり、つまり、あまり磨かないが虫歯が無いという方でも歯周病予防のために歯磨きとフロスを毎日良くする事は大切です。いつも書いていますが、寝る前と起きた時には必ず歯を磨く事をお勧めします。フロスは一日に一回は必ずして下さい。どちらももっとして良いです。

また、間食やだらだら食べる事が多いという事、そして甘いものを良く食べるという習慣はみなさん本当に虫歯になりやすくするものとお分かりかと思います。当たり前のように虫歯菌の好物であり、餌であるものが糖分なのです。そして糖分を口に入れると虫歯菌はすぐに食べだし、すぐに酸を作り出すのです。もちろんこの酸が歯を溶かすのです。甘いものを良く食べるという事はそのつど栄養を虫歯菌に与え、強くなって、繁殖してくださいと虫歯菌にお願いしているのと同じです。間食やだらだら食べるという事は長い間虫歯菌に餌をあげ続けるという事になります。糖分が餌なのですが、炭水化物は分解すると糖分になります。従って精製された炭水化物である白米、白パン、煎餅、ポテトチップスなどは甘くなくても虫歯菌の餌なのです。一応、糖分や精製された炭水化物を口に入れて食事をしだし、虫歯菌が酸を作ると食事が終わった後の20分から30分までの間は口内が酸性だが唾液がこの酸を中和し、従って20分から30分たつと口内は中性になるという仕組みがあります。しかし、間食やだらだらと食べる事が多いと酸に歯がさらされることが多くなり、唾液による中和がおいつけなくなります。

みなさん、当たり前にするべきではない事でもついついしてしまう事は本当にあります。歯磨きを怠る事もだらだらと間食をする事もとても簡単です。しかし、これらの事は虫歯菌を飼育している行動と思ってしまってください。毎日、良く歯磨きとフロスをし、そして食事にも気を付けて下さい。歯医者での定期検診とクリーニングも大事です。定期検診をする事で虫歯や歯槽膿漏が悪化する前に発見し治療をする事が出来ますし、また定期的な歯医者でのクリーニングは自分では出来ていない範囲のクリーニングなので虫歯と歯槽膿漏の予防にとても貢献します。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話ください。