カンジダとミュータンス菌の“合体”生物体組織!? November 2022  

普通に虫歯は虫歯菌を代表するミュータンス菌が酸を作って歯を溶かして起きるものと考えられています。一応ミュータンス菌だけが虫歯菌ではないのですが、虫歯内にはミュータンス菌が多くいます。ただ、近年解りだしている事が、ミュータンス菌が虫歯を作る事を強化するカビが居る事です。真菌、つまりカビ、であるカンジダを知っている方も多くおられるかと思います。カンジダアルビカンズがミュータンス菌と一緒に住んで、新しい生物体組織になると、単にミュータンス菌だけでいる時よりもより多く酸を作り、また歯にもっと強く付着し、そして他の歯にもより簡単にうつっていくようになります。えー、それ合体して強くなった怪物みたいだと思うかもしれません。ところが、いくつかの研究でこの事がみえています。そこで、今回はカンジダとミュータンス菌について書きます。

カンジダは普通に私たちの口内、消火器内、性器粘膜などに住んでいて、普段は何も害を与えません。ただ、何かしら体の調子が悪くなると急に増殖する事があります。一応、女性の方にとっては膣カンジタ症が起こり得る事をご存知かもしれません。口内でも口腔カンジタ症が起こる事があり、この場合、口腔に変な白いものが出来たり、口腔の一部が赤く腫れたりし、ひりひりと痛みます。対応するための薬があり、従って治せます。

ただ、このカンジダは近年虫歯にもかかわっている事がわかりました。まず診えたのが、幼児がとても多く虫歯になっている時、虫歯内にはミュータンス菌とカンジダがとても多いという事でした。もちろん、幼児だけがこうなるのではありません。いろいろな研究がされていて、今解っている事はカンジダだけでは歯は虫歯にはなりにくいが、ミュータンス菌と一緒にするとミュータンス菌だけの時よりも虫歯がどんどん出来るという事です。カンジダの作る粘々したバイオフィルム内にはミュータンス菌はとても居心地よく住め、しかも両方とも糖分を餌とするのです。そして、両方とも酸性の環境が好きでミュータンス菌はなぜかカンジタと一緒にいるともっと酸を作り、しかも一緒にいるとこの粘々したバイオフィルムは粘々感を増し、つまりもっと歯に付着して取り除きにくくなります。そして、カンジダはカビが糸を延ばすように他の歯に移っていこうとし、そのためミュータンス菌も一緒に他の歯に連れていかれるのです。つまり、カンジダとミュータンス菌は“合体“して、とても虫歯を作る力を増すと言えてしまいます。

しかし、安心してください。両方がたくさん歯の表面に居なければこの事は起こり得ません。つまり、毎日良く歯磨きとフロスをして、また、歯医者での定期的なクリーニングもしていれば、ミュータンス菌の歯の表面にいる量を抑えられ、もしカンジダの量が急に増殖したとしても急に虫歯が増える事にはなりません。また、カンジダとミュータンス菌がもう一緒に働いていたとしても歯磨きとフロス、そして歯医者でのクリーニングで、前よりも大変でも、そのバイオフィルムを取り除く事は可能です。カンジダもミュータンス菌も糖分を餌とするので、毎日甘いお菓子、また糖分にすぐ分解されてしまう洗練された炭水化物、をたくさん食べてしまう事を避ければ、それだけ問題がおこりにくいのです。本当にあたり前のような事ですが、歯の手入れを毎日良くし、毎日の食生活にも気を付ける事がやはりカンジダとミュータンス菌の合体組織にも有効なのです。

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