エナメル質と象牙質 March 2021

今回も先に私のワクチン接種の体験談を少し書いておきます。2度目の接種を2月5日にしました。ホームページ上の2月の記事に後記としても載せましたが、今回はディズニーランドのパーキング場でし、しかも少しも待たずに接種をうけられました。まだ2度目の接種をする人数が少ないからという事もあったと思うのですが、2度目の接種者用の列があり、と言っても、全然並ばず、場所についてからはとんとんとすぐにワクチン接種になり、40分早めに行ったのですが、アポイントメントの時間の10分前にはもう帰途についていました。今は他の方たちの経験談も少しずつ聞いているのですが、皆さん1度目の接種もあまり待たずにワクチン接種を受けられています。もちろんアポイントメントがいります。ところで2度目の接種の後は1度目よりも何かしらの症状がある可能性が高いと今はご存知かと思います。案の定、私にも接種の次の日に症状がありました。まず、接種した箇所が1度目よりも痛みました。腕を動かすと痛いので、動かしたく無いと思ったのですが、オンラインで調べてみると痛くても動かすべきと書いてあったので、わざと痛い痛いと思いながら腕をぐるぐる動かしました。そして、この日は随分寒いなと思いずっとヒーターを入れていましたが、それでも寒いなーと感じていました。もちろん、この日が他の日よりもとても寒い日だったのではありません。また、体全体がなんとなくだるく、しかもなんとなく痛く感じました。ただ、次の日にはこれらの症状は無くなっていました。接種後の24時間から48時間の間には何かしら症状があると聞いています。また、2度目の接種の2週間後には免疫がとてもできていると読んでいます。

では、歯について書きます。今回はエナメル質と象牙質について書きます。

エナメル質は歯の周りを囲んで歯の中を外部から守ってくれるすなわち鎧のようなものです。とても固く、しかも大部分は無機物のミネラルで、このエナメル質に穴が開いても私たちは何も感じません。だいたい2mmから3mmの厚さです。ただ、歯根の周りにはエナメル質は無く、そして歯根とエナメル質の境目のところではエナメル質は薄くなっています。しかも前回の記事で書いたようにエナメル質は口内のpHが5.6以下になると溶けだします。私たちは生きている中、いろいろなものをすごい力で噛み、そしていろいろな酸性のものや虫歯菌が好む糖分を口に入れます。従って、年齢を重ねていくとやはりエナメル質は薄くなります。歯医者で検診とクリーニングを長年しているとこの事を実際に診ますし、また歳をとっても体が若い時と同じという事はあり得ないのですが、出来るだけエナメル質を保つためには、やはり日々の食生活を良くし、また日々の歯磨きとフロスも良くするというとても基本的な事が一番大事です。

この検診とクリーニングの際に診える事がもうひとつあります。歯に歯垢がたまっていて、その歯垢を取り除くとその下にあるエナメル質が白くなっているという事があります。エナメル質は酸で弱まり、中のカルシウムが溶けだしてしまうとまず白くなります。普通にはエナメル質には透明度があるのですがそれが無くなり、もちろんこの白くなった箇所は柔らかくなっていて、場合によっては白い部分の真ん中あたりがへこんで穴の始まりになっている事もあります。歯と歯の間を歯の横から診るとそこが少し白くなっている事が解る時もあります。この白い箇所はまだ大丈夫かもしれないのですが、ちょっと深くまで浸透してしまうともう手遅れなのです。昔歯科大で虫歯はエナメル質の厚さの半分を超えてしまったら治す必要性があると教わりました。そうならないように、というか最初からこの白い箇所が出来ないように、やはり毎日良く歯磨きとフロスをしていつもたまっていく歯垢を歯の表面から取り除いて下さい。

また、もうひとつ検診とクリーニングの際に診る事があります。歳を重ねると、はじめからエナメル質が薄い箇所はエナメル質が完全になくなる場合があります。一番起こりやすい箇所が歯根とエナメル質の境目で、しかも下顎の前歯は最初から小さい歯でエナメル質もうすいところが多いのでよく起こります。また、エナメル質が薄いという事も含めて、歯茎が下がり、歯根が見えてきてしまうと、歯根は柔らかいので、この歯根とエナメル質の境目には削りとられたように溝が出来る事を良く診ます。この箇所に歯垢がたまってしまうともっとダメージがあります。この溝、また虫歯は、ほっぺた側の歯と歯茎の間によく起こります。舌側にも起こるのですが、ここは舌である程度歯垢がとられているのでほっぺた側ほどにはおこりません。もちろん、毎日予防のため歯垢を取り除いていただきたいのですが、歯を磨く際、歯の側面は横に長く歯ブラシを動かす事は避けてください。横に長く磨いてしまうと、この歯と歯茎の間の歯の弱い部分が削られてしまう恐れがあるからです。横に長く動かしてしまっていると気ずいたら、細かく横に、縦に、または回すでも良いですからそっちに切り替えてしてください。歯の上の噛み合う面は横に長く歯ブラシを動かして磨いてよいです。もちろん、歯を磨く際は歯を全部磨く事を心掛けてしてください。

では、象牙質について書きます。エナメル質の内側にある象牙質はエナメル質よりも柔らかく、45%は無機物なのですが、33%は有機物、そして22%は水分と、生きているものの一部らしくなります。しかも象牙質内ではその中にある歯髄から外側に向かってたくさんの細かい穴があいています。つまり、直接に歯髄にあたるのではないのですが、象牙質に虫歯が達してしまうと、痛みを感じます。また、象牙質が外にむき出しになるとそこは沁みるようになります。ただ、この歯髄からの穴がふさがれれば沁みる事が無くなります。この穴たちはミクロの世界のもので、肉眼では見えません。面白い事にこの穴が露出してしまうとこの穴を塞ぐ事をわたしたちの体はしようとします。唾液内の成分が塞ぐ事をし、また、歯髄もこの穴を埋めようとします。つまり、象牙質が露出しても、その時は沁みるのですが、少し日にちがたつとしみるのがおさまります。もちろん、もっと象牙質が削れてしまえば、また沁みだします。この事は虫歯でも似たように起こり、最初に虫歯が象牙質に達した時には痛みがあるのですが、その後は象牙質が溶けて穴を埋める、また歯髄が象牙質を作り穴をうめるという事をし、できるだけ痛みがないようにします。ただ、虫歯はどんどん広がっていきます。 象牙質の方が柔らかいので、象牙質に虫歯が届くと急に虫歯は広がります。そして、虫歯が歯髄に届いてしまうと、激しい痛みが来ます。従って、象牙質に虫歯が入ってしまったら、できるだけ早く治したいところです。本当に虫歯は小さいうちに治す事をおすすめします。

当たり前の事なのですが、予防が一番です。毎日良く歯を磨いてフロスをして下さい。そして歯医者での定期的な検診とクリーニングもしてください。もちろん、定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

   

 

 

 

 
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