虫歯について解っていない事 April 2019

だいたいの方は虫歯とは何かと聞かれたら、それはこういうものだと答えられると思います。しかし、実際は虫歯についてもはっきり解っていない事がいくつかあります。そして、この今だに解っていない事も知る事は皆さんが予防と早期治療に力をもっと注ぐ事に繋がり得ます。そこで、今回は少し詳しく虫歯とその治療の中ではっきりとはよく解っていない事について書きます。実際は解っている事についても書きます。

まず、虫歯のもとのばい菌の種類はたくさんあり、しかし歯が侵されていく過程の中、このばい菌たちがどう働いているかははっきりしていません。あれ、でも虫歯菌はミュータン ス菌だと解っていて、このばい菌が作る酸が歯を溶かして歯に穴を開けているのだと知られているのではないかと思われるでしょう。その通りです。しかし、虫歯内にいるばい菌の種類を染色体検査で調べてみると、それだけで無い事が解ってきます。ミュータンス菌が口内にいなくても虫歯になる方がおられ、また、ミュータンス菌はどうも虫歯が最初に出来る時には多く働き、その後は違うばい菌たちも一緒にまたは変わりに多く働いているようなのです。虫歯があるとミュータンス菌が多くバイオフィルム内に存在している事は診察と検査で簡単に解っていたのですが、それ以外の菌が多く発見されだしているのです。ミュータンス菌は糖分を餌にして酸をすぐに作り、そして口内そして歯垢内の環境を酸性にする事が良くでき、この酸性の環境の中に他の酸の好きなばい菌たちは繁殖しだすらしいのです。つまり他の虫歯菌たちに住みよい環境を作る菌らしいのです。そして、これらの違う種類のばい菌たちは化学的にコミュニケーションをとっていて、いろいろしている事を変えているようでもあるのです。もちろん、ミュータンス菌がいなくても、他の虫歯菌が多く口内にいれば、虫歯も出来てしまう可能性が高いのです。でも、だから何なんだと思われるかもしれませんが、つまり、全体的にいろいろなばい菌が住んでいる歯垢を毎日歯の表面から良く取り除く事がとても大事なわけです。薬である種類のばい菌だけを殺菌しても、他のばい菌が歯を犯す可能性があるのです。従って、毎日の歯磨きとフロスを良くして下さい。

そして、ミュータンス菌は初期の虫歯の時には多く働いている事が多くてもその後、つまり虫歯が進んで歯の表のエナメル質を超えて象牙質まで届いてそしてもっと進んでいった場合どの菌が何をしているのかもやはりはっきりとはしていません。もちろんいろいろな虫歯菌が酸を作り、象牙質を溶かしているのだろうと言えます。しかし、それと共に象牙質には細かい穴が中の歯髄から歯の表面に向かってたくさん開いています。今解っている事はこの穴の中に入りこんでいくばい菌がいくつか存在しているという事です。ただこのばい菌たちが何をしているかははっきりしません。この細かい穴は歯髄に近い程直径が大きいものでもあります。解っている事は歯髄はちゃんと自分を守るために象牙質に似た組織を作りこの穴を埋めようとすることです。しかし、ちょっと考えると虫歯菌たちはきれいにまっすぐに歯の中にむかうというよりも行けるところに進んでいくと言えます。そして、この細かい穴があることで、実際虫歯菌は象牙質に入った地点では歯髄に影響をもたらしています。いつもみなさんにお勧めしていますが、虫歯は小さいうちに治すべきなのです。歯髄に近くなればなるほど歯髄が死んでしまう可能性を増やします。

ここで、えっ!と思うデータを紹介します。虫歯を治す際、どんなに良く虫歯を歯の内部から削りとって殺菌をしたとしても歯の中にはばい菌は少量ですが残るという検査結果があります。もちろん現実的にはだから歯はまた虫歯になるという事は起こっていません。長い間保たれていて、大丈夫な詰め物はたくさんあります。虫歯菌は完全に詰め物で覆われて口内から餌を取り入れる事ができなければ、繁殖できず死んでしまうか睡眠しているかがおきるのではないかと考えられています。もちろん、このデータを利用して、虫歯はたくさん歯の中に残して上に詰め物をしても良いだろうとも言えてしまいます。しかし、私は古い詰め物の中に大きい虫歯がありそういう歯を治さないといけないという経験も多くしています。虫歯が詰め物で覆われれているところに大きくなっている事を診ていて、これは前に治した歯医者が虫歯を残して詰め物をしたのではないかという疑問があることがあります。つまり、虫歯菌がまた害を及ぼすか否かは歯を治した際に残されたばい菌の量に関係するようです。また、虫歯で侵された歯というのは柔らかくなっていてそこに何かを接着させる力は弱まります。従って、現実的には出来るだけ虫歯は取り除き歯を治す事は理に適っています。私たちはいろいろなばい菌と共に生きています。するべきことは、変にある種のばい菌が増えてしまって体に害を与える事を防ぐ事だろうと言えます。

虫歯についてはっきりと解っていないことはいろいろありますが、はっきりしている事はあります。毎日の歯磨きとフロスはとても大事です。また、歯医者さんでの定期検診とクリーニングも本当にお勧めです。虫歯や歯槽膿漏も出来るだけ早めに治してください。検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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