アルギニンで虫歯予防 June 2018

今回は成人向け的な事を少し書きます。従って、読みたくない方は読まないで下さい。こう書くと皆さん読みたくなるかと思います。実際はもちろん歯の健康について書きます。アルギニンというアミノ酸があります。この成分は体に必要なたんぱく質のひとつです。私たちの体はこの成分を作る事が出来ますが、摂取する事も出来、いろいろな食物にアルギニンは入っています。また、この成分は男性器を大きくするサプリメントに良く入っています。おいおい歯の健康に全然関係ないのではないかと思われそうですが、歯に良い成分なのです。そこで、今回は本当に真面目にアルギニンについて、またアルギニンの虫歯予防効果について書きます。

まず、アルギニンの体への効果を書きます。男女誰にも大事なアミノ酸なのです。成長ホルモンの分泌を促進し、脂肪の代謝も促進し、筋肉を強化します。しかも免疫細胞のひとつのマクロファージというものを良く働かせるようにし、つまり免疫力を上げてくれます。そしてアルギニンは体内で一酸化窒素というものを作ります。一酸化窒素は血管を拡張させます。従って、冷え性や肩こりの予防につながり、また動脈硬化の予防にも効きます。しかも肌の血流を良くし、肌をかさかさにさせなくするので、肌をきれいにし、つまり美容にも良いのです。血管を拡張させるという事は血圧を下げるのにも役立ちます。もちろん、血液が男性器を大きくするわけで、従って男性器の働きを良くします。

ここまで読まれると、アルギニンは摂取したいと思われる方は多いでしょう。食物の中では肉類、魚類、また大豆に多く入っています。豚のゼラチンにはとても多くあり、またかつお節にも多いのですが、もちろんかつお節はたくさん口に入れるものではありません。またいろいろなナッツに含まれているので、スナックはナッツをという事は良いです。サプリメントもあるので、必要と思いましたら使えます。ただサプリメントを使うのであれば、必ず過剰にとらないようにして下さい。通常一日に食事からの量も含めて１ｇから８ｇぐらいの摂取が良いのですが、良い量は人によって違います。また、体が作る事の出きるものなのですが、歳をとるにつれて作る量が下がっていくもので、子供にはサプリメントはいりません。

では、ついに歯への影響について書きます。アルギニンは唾液内にも存在します。そして、アルギニンにはバイオフィルムを壊してくれる作用があります。バイオフィルム、つまりバクテリアが歯にくっつくために作る粘々したもの、そしてその中にバクテリアが住み住居となるもの、を少なくします。しかもアルギニンはアルカリ性の物質を作るバクテリアの好む食物でもあります。つまりアルギニンは口内をアルカリ性にし、酸性の環境が好きでしかも酸を作る虫歯菌には住みずらいところにします。従って、虫歯予防に繋がるのです。もちろん、唾液の中にアルギニンが多い方が良いので、この量は摂取する際直接でもあり、また後に唾液の分泌と共に口内に現れるものでもあります。

このアルギニンの虫歯予防の作用はいくつかの研究で明らかにされているのですが、今のところアメリカでは FDA(Federal Drug Administration) が虫歯予防の薬と宣伝して良いものはフッ素のみとしているので、アルギニンは虫歯予防の薬とは宣伝されていません。私の知る限り今現在アメリカではアルギニンが入っている歯磨き剤はひとつ Tom's of Maine Fluoride Free Rapid Relief Sensitive Toothpaste のみです。Tom's of Maineのブランドなら良いのでは無く、その中のこの名前の歯磨き剤のみで、しかも虫歯予防と示す事は出来ないので、沁みるのを防ぐ薬と示されています。ちなみにこの歯磨き剤の事を本当によく調べてみるとアルギニンはサトウキビからとっているとなっています。これはサトウキビ自身はいろいろな成分を持っているからで、私たちの知っている砂糖はサトウキビからそれだけ取り除いて洗練したものなのです。もちろん、砂糖自身は大部分の人がとりすぎていて、そのため歯にも体にも良くありません。また、ちょっと前まではアメリカではColgateがアルギニン入りの歯磨き剤を出していたのですが、虫歯予防のためとは宣伝出来ず、あまり売れ行きが良くなかったので、無くなってしまいました。このTom's of Maineの歯磨き剤をでは使ってみようという場合にはこの中にはフッ素が入っていないので、フッ素入りの他の歯磨き剤と共に使うのは良い方法です。

みなさん、アルギニンを摂取する事を考えて食事の献立をつくってください。アルギニンは体に良い効果をもたらし、しかも虫歯予防もします。もちろん、毎日の歯磨きとフロスもして下さい。そして、歯医者さんでの定期的な検診とクリーニングをし、必要であれば早いうちに虫歯と歯槽膿漏の治療をして下さい。検診、クリーニング、治療のためにはお電話下さい。