時の流れの中で起こる歯へのダメージ June 2016

父の日おめでとうございます。お父さんの皆さんいつもいろいろがんばって頂き本当にありがたいです。私も父にいままでありがとうとここに書かせて頂きます。私たちは時の流れの中、齢をとっていきます。歯にも歯茎にも毎日たくさんの負担をかけているので、齢をとった際、若い時と同じ状態である事はあり得ません。そこで、今回は歯と歯茎に時の流れの中で起こっていく事柄について書かせていただきます。

まず、歯の噛み合う箇所は少しずつ削れていきます。毎日、食物を噛みきって砕いている中、長い年月をかけておこります。普通に起こる事なので、気にすることでは無いのですが、あまりにも削れてしまった場合には治す必要性があります。また、歯ぎしりをする方であるとずいぶん歯の咬合面が削れてしまう場合があります。そして、もし外側のエナメル質を超えて中の象牙質に届いてしまうと、象牙質の方がやわらかいので、そこに穴が開いてしまう事があります。この場合には詰め物で補強する必要性があります。特にこのことが起こりやすい歯が下前歯です。また、奥歯が無くなってしまっていてそこに何もしていないと、前歯にとても負担がかかり、前歯がずいぶん削れてしまいます。

あれ、と言う事は長い年月がたつと誰の歯も短くなってしまうのではないかと思われるかも知れません。事実上短くなるのですが、実際は普通ほんの少量ずつ削られていくので、それに合わせて私たちの歯は突き出ていき、上下の歯が噛む時に合わさる様にしてくれます。もちろん、個人差はあるのですが、つまり長い目で見ると歯が短く見えるのでは無く、歯茎が下がってしまったと見える場合があります。また、場合によっては、歯は突き出ていくのですが、それに伴って骨も歯茎もいっしょに動く事もあります。この場合には歯は短く見えます。ただ、歯茎にも負担はいつもかかっているので、年月とともに歯茎は下がっていく事は普通起こります。つまり、齢をとると前まで歯茎で覆われていた歯根が見えてくる事は可能性大です。歯周炎、歯槽膿漏があれば、もちろん問題が増します。歯茎が下がると歯と歯の間に隙間が出来てきます。これは歯は根のほうが細いからです。

また、歯根が歯茎の上に見えてくると、歯根の方がエナメル質よりもやわらかいので、この部分が削れてしまう事が良くあります。私たちは毎日の生活の中で噛む時に上下だけに歯を動かしているのではなく横にも動かしていて、この事は歯の歯茎の上と下の境目のところを微量に曲げています。従って、この場所には針金を折るために何回も曲げるのと同じように負担がかかります。つまり、歯根が歯茎の上に出てくると、そこはやわらかいのに加えて噛む力によってもっと弱まります。自ら崩れてしまうこともあり、また食事の際に口に入れる酸性のものでも簡単に溶けてしまいます。この現象はどうしても齢をとってくると診えてきます。こうして出来た溝は詰め物で補強する必要性があります。そして、歯磨きの際に歯の側面を横に大きく磨かないで下さいとみなさんにおすすめしているのは、そうしてしまうと、この境目の歯の弱い箇所を削ってしまうからです。

齢をとってくると起こり得る事柄はもっとあります。噛む時に歯には大きな力が加わるので歯にはひびが入ります。小さなひびは普通で、大丈夫なのですが、ひびというのはガラスにひびが入ってそのひびがいつのまにか大きくなるということが歯にも起こる事があります。また、何十年と歯を使っていると歯は割れてしまうこともあります。歯のひびは歯茎の上であると治せる可能性があるのですが、歯根に入ってしまうと可能性はゼロに近くなります。もちろん、ひびが大きくなると症状が出てきて、普通噛んだら痛く、また冷たいものも沁みるという場合はひびの可能性は高いです。ひびの予防としてひとつ伝えておきたいことは氷を噛み砕いて食べないようにという事です。

もうひとつ齢をとると起こる事を書きます。下の前歯が重なっていき、上の前歯は出っ張っていき、上の前歯の歯と歯の間に隙間が出てくる場合があります。個人差があるのですが、これは私たちは噛む時に縦に歯を動かしているのではなく、ドアを開けるように顎を動かしているので、歯は常に前方に押されているからです。親知らずが他の歯を押して歯並びを悪くしてしまうと患者さんがたまに言われるのですが、実際はそれよりも毎日の噛む時の力が大きく関係しています。

おいおい皆防ぎようがないではないかと思われるかもしれません。私たちは歯にとても負担をかけているのですが、それでも毎日食物を砕き私たちを助けてくれています。噛むという作業は必要なもので、そこからの長い年月を通してのダメージは避けられませんが、それと共に虫歯や歯槽膿漏になってしまうと問題が増してしまいます。従って、本当に歯と歯茎を大切にしてください。毎日の歯磨きとフロス、そして歯医者での定期検診とクリーニングを是非続けてよくしてください。また、虫歯と歯槽膿漏も早めに治してください。定期検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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