歯根吸収 May 2016

まず、母の日おめでとうございます。お母さんたち皆いろいろしていただき本当にありがとうございます。この日は歯歯の日とも言われているらしく、みなさん歯も大事にして下さい。それでは、歯について書きます。虫歯以外にも歯に害を与えるものはいろいろあります。どのような酸も歯を溶かします。従って、ソーダは歯に悪いですし、胃酸も吐いてしまうと、歯に害を与えます。また、歯は噛んでいる力で削られていきます。そして割れてしまう事もあります。歯ブラシのしすぎで削れてしまう事もあります。しかも、歯根吸収と呼ばれるもので、私たちの体内の細胞が自ら歯に穴を開けてしまう事さえもあります。そこで今回はこの歯根吸収について書きます。

私たちの体には歯根を溶かして、吸収して、失くしてしまう破歯細胞という細胞が存在します。なんか怖い事のようですが、実際は普通に乳歯が永久歯に生えかわる時に誰もの乳歯も根が溶けてなくなり、そのおかげで、乳歯が自然に抜けてくれるようになっています。歯が生え換わる時にはじょじょに乳歯の根は溶けてなくなるのです。通常はこの事を起こす細胞は乳歯が抜けた後には働いていないのですが、この細胞は歯の歯列矯正をしている時に歯に圧力が加わるので歯の根の先に働いて、歯根を短くする場合があります。ただ、矯正の場合はその時だけの事で、歯根がちょっと短くなる程度で終わります。骨と歯は違うものですが、骨はいつも分解され吸収され、そこに新しい骨が作られ置かれていくと言う事を常にしています。この骨を分解する破骨細胞と歯を分解する破歯細胞は少し違うものですが、どちらも同じ細胞が変化して生まれています。この破壊する細胞たちは破壊する酵素を持っています。そして、何かしらの理由でこの破歯細胞が働きだしてしまうと、歯に穴が開いてしまいます。まれに起こる事ではあるのですが、私はこの現象を何回か診ています。原因ははっきりしていないのですが、歯の根の所が外側から穴を開けてしまう場合と内側からの場合があります。歯の根の所は外側には骨があり、そこには破歯細胞が存在できます。また内側には歯髄があり、そこには神経と血管があり、やはり破歯細胞が存在できます。原因は不明なのですが、歯根吸収は何かしらの過去のトラウマが引き起こしているのではないか、また慢性的に炎症を起こしているとなるのではないかといろいろ考えられています。でも何かが普段は何もしていないはずの細胞を目覚めさせて暴走させてしまうのです。怪獣映画のような話ですが、あり得る事で本当に起こります。

通常、この現象が起こると、自分で自分の歯をじょじょに失くしているので、痛みはありません。穴の場所によっては口内に診える場合があり、しかし場所によってはレントゲンを撮った時のみに解る場合があります。そして穴の場所と大きさによって詰め物、根管治療、クラウンなどで治療が可能な場合と歯を抜くしか方法が無い場合があります。原因不明と言う事ははっきりと出来る予防が無いのですが、もちろん出来るだけ体の健康管理に気をつけて、歯も大事にしていただきたいです。また、定期検診によって小さいうちにみつける事ができれば、それだけ治せる可能性が高くなるので、定期検診はお勧めです。また、歯へのトラウマが原因かもしれないという事はやはり虫歯も大きくなりひどく痛む前に治しておいた方が良いと言えます。

もちろん、定期検診や虫歯を小さいうちに治療する事は歯根吸収の事を考えなくても本当にお勧めです。いつも書いていますが、虫歯は放っておくとだんだん大きくなります。本当に初期の虫歯になる前の歯のちょっと弱まった状態あたりでは虫歯にならないで治る場合はありますが、ある程度大きくなってしまうともう治りません。しかも今現代は歯を削る量は昔よりも少なく出来、とても歯に強く接着した詰め物が可能です。もちろん治療が良い必要性はありますし、大きな虫歯であれば大きく歯を削る事になります。また、定期検診とクリーニングは虫歯、歯槽膿漏、そしてその他の問題の予防、そして早期発見と早期治療に繋がります。やはり、一番大事なのは毎日の歯磨きとフロスです。そして食生活にも気をつけて下さい。歯根吸収というものは大体の方にはそんな事もあるのかと思うだけの事かも知れませんが、しかしまれだとしても逆に誰かに起こるのです。従って歯も体も大切にして下さい。もちろん、定期検診、クリーニング、また治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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