指しゃぶり   June 2015

たまにお母さんかお父さんに子供が指しゃぶりをしているのだが大丈夫かと聞かれることがあります。もちろん長く続けていると歯並びに影響があります。出っ歯になったり上と下の前歯が口を閉じてもあたらないようになってしまう場合があります。そこで今回は指しゃぶりについて書きます。

赤ちゃんにとっては授乳している時に吸い付く事をするのは必要ですし、離乳後も、指を口に入れて吸い付く動作をする事は小さい子にとっては不安や緊張を和らげる効果があるので、生理的に指しゃぶりは普通にある事です。従って、3歳ぐらいまでは子供の指しゃぶりはありうる事です。気にしないといけなくなってくるのが、4歳から5歳ぐらいの時からなのですが、それも保育園、幼稚園と行くようになると、社会的に、周りの子が指しゃぶりをしないと、指しゃぶりをしていたお子さんもしなくなっていきます。また、指しゃぶりにもその指を吸う力がとても強かったり、いつもしていたりであると気にしないといけませんが、4歳、5歳でもだんだん指しゃぶりをしなくなってきている様であれば自然に無くなるのを待つ事が出来ます。通常は小学生1年あたりでは指しゃぶりは無くなっています。

しかし指しゃぶりを4歳や5歳あたりですごくいつもしている、また6歳ぐらいでも辞められないでいるという場合には気にする必要性があります。指しゃぶりによって、出っ歯や噛んでも上下の前歯が当たらない状態になってしまうと見た目以外にも問題が起こってきます。唇を閉じにくくなり、鼻で息を吸うのでは無く口で息を吸うようになり安く、そうなると口内が乾きやすく、唾液でバイキンが流されにくくなり、虫歯が出来やすくなります。しかも普通は閉じる事の出来るはずの上下の前歯がいつも開いているとそこに舌をさしこむ癖がつきやすく、話す時に発音がおかしくなりやすくなります。

では子供の指しゃぶりを無くすにはどうすればよいのでしょうか? まずは子供が指しゃぶりをしていたら指を無理やりひっこぬいたり、しかったり、怒ったりはしないで下さい。指しゃぶりは精神を安定させるものであり、それが癖になってしまっていると4,5,6歳あたりでも辞められなくなっています。従って、これをするなと強制しようとすると、逆にもっとするようになってしまう可能性があります。実際はお子さんも物事が解ってきていますから、指しゃぶりは歯に悪いから辞めるようにと言ってあげて、指しゃぶりをしていない時、また自ら辞めている時には、ほめてあげて下さい。しかし子供が自分も指しゃぶりを辞めたいと思っているが、それでも無意識にしてしまう場合があります。この場合は子供と一緒に努力をする事が大事です。家にいる時だけでも、口に入れたくないと思われる香水などをお子さんと一緒に指のつめにつけてお子さんが無意識に指しゃぶりをしようとするとその香りや味で気づき、自分で辞めるようにするという事はできます。また、いつも指しゃぶりをしているのでなければ、どういう時にしているかをみて、その時には指しゃぶりと違うものと動作を置き換えるという事も出来ます。もしテレビを見ている時にはいつも指しゃぶりをしているのであればその時にボールやぬいぐるみなどを手に持たせることが出来ます。また、もし何かとても気になっていると指をしゃぶるようであれば、何が気になっているかをお子さんが話す事を助けてあげて、聞いてあげる事も出来ます。もちろんこれらの事はお母さんお父さんにとっては忍耐力がいります。子供といっしょにいろいろ試してみて、それでも癖が無くなるまで何ヶ月もかかる可能性がありますし、しなくなってもまたある日しだす事も有ります。必要であれば、歯医者が出来る事はあります。歯に取り付ける器具があり、これは指しゃぶりをしようとすると金具が指に当たって指しゃぶりを防ぐことをします。しかしこの器具も子供が指しゃぶりを辞めようとしている場合には効きますが、そうでなく強制的にしようとしてしまうと変に子供がこの器具を取り除こうとしたり曲げてしまったりという事になってしまいます。指しゃぶりは子供の心理面がとても関係しているので、生活環境も考える必要性があり、臨床心理士の助けがいる可能性もあります。

いちおうおしゃぶりについても触れておきます。おしゃぶりも長くしていればやはり歯を動かしてしまいます。しかし普通おしゃぶりの方が指しゃぶりよりも辞めやすいのも確かです。もちろんおしゃぶりをやめた後指しゃぶりを始めないとは言えません。また、赤ちゃんにおしゃぶりをあげてもしゃぶろうとしない場合もあります。しかしもしおしゃぶりをしているのであれば、歯のためには2歳半ぐらいには使用はやめてください。

指しゃぶりは子供の成長と共に無くなるものです。ただ、長く続いてしまうといけません。もし歯並びがおかしくなってしまっても後になおす事は出来ますが、出っ歯や上下の歯が当たらない状態にも少しだけのものから大きな問題のものまであります。問題は最小限にしておきたいものです。もちろんお子さんも大人の方も誰もの歯の健康は大事です。従って、お子さんも大人の方も毎日歯磨きとフロスを良くし、6ヶ月に一度は歯の検診とクリーニングを歯医者さんでして下さい。歯と歯茎の検診、クリーニング、そして治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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