虫歯の大きさと詰め物、被せ物の種類   July 2014

歯医者をしていて虫歯を取り除く作業をしている際、なんと歯の奥まで虫歯がたくさん進行しているのだろうと思う事が多くあります。事前から虫歯の大きさはだいたい解って治療をしていますし、歯から虫歯を失くし健康な状態に出来る事はとてもうれしいです。それでも、この虫歯はある時期にはもっと小さかったのにと思ってしまいます。そこで、今回は虫歯を小さいうちに早めに治す重要性とそれに関連する詰め物と被せ物の種類について書きます。

前にも書いていますが、歯が痛くなってしまった時は虫歯がとても進行してしまっている時で、治療も大きなものになってしまいます。そしてあまりにも悪化していれば、歯を抜かないといけない場合もあります。もちろん経済的にも小さな治療の方が安いのは確かです。また、治療に使う物の材質はとても良くなってきていますが、一番良い材質はやはり歯そのものです。従って、虫歯を治す際、出来るだけ元の歯を残す事はとても大事です。

今現在、虫歯を治療する際に使える材質はいろいろありますが、中でも複合レジン(プラスチックのような物)では小さな穴からある程度までの穴をとてもぴったりとしかも歯に強く接着して埋める事ができます。つまり小さいうちに虫歯を治しておく事がとても良く出来ます。歯の色のものなので、きれいにも治せます。あまりにも虫歯が大きい場合はもっと歯を被せるように治すオンレーやクラウンという物で歯を治す必要性がありますが、ある程度の虫歯であれば複合レジンはとても良い充填物です。ただ、複合レジンといってもいろいろな種類があるので、治療内容に適した良いものを使う必要性があります。オンレーやクラウンであると金属やセラミックを使う事になりますが、この場合は歯を小さく削るだけという事は出来ません。これは虫歯が大きいと虫歯を取るため歯を削って、残った歯があっても薄くなってしまっているとその部分は割れてしまうので、取り除いてそこを被せておく必要性があるからです。虫歯が小さいうちに複合レジンで治しておけば、歯を削る量は少なく、自分の歯を多く保てるので早めに治す事は本当にお勧めします。

また、日本で奥歯に良く使われている銀の金属で歯を治す際には色以外にひとつデメリットがあります。歯を治すのに金属を使う場合、歯の表面を虫歯を取り除いた穴以上に削る必要性があります。穴が開いているところから周りを金属と歯の境になるところを薄くするように深いところからじょじょに浅くするように削ります。これは実際は金属は薄くしても大丈夫な性質を使い、金属の詰め物と歯との間に少し誤差があっても薄いところがずれるだけであり、また虫歯菌も奥まで入りずらくするためという理由から成り立っているのですが、つまり歯の削り方は穴が周りに開いたようにします。金属の色が気にならなければ、また、うまく作ってあれば悪い治療ではないのですが、それだけ歯の表面を多く削るわけです。そして、この金属を後に虫歯のために取り除いて新しい治療を必要とする際、始めから削ってある量が多いので、もっと削らないといけないのでずいぶん歯を無くさないといけなくなります。 また、実際は複合レジンで治せる範囲の虫歯でも、金属で治す場合はそれだけ余計に歯を削る事になります。金属のほうがレジンより硬いから良いではないかとも言えますが、歯を削る量を多くしてしまう事も確かです。一生のうち の歯の健康を考えると、理想的には虫歯が小さいうちは複合レジンでできるだけ歯を保つように治しておいて、虫歯が大きすぎれば金属またはセラミックで歯を被せるように治療をする事になります。

複合レジンは少し歯よりも軟らかいので少し歯よりも削れやすいと言えるのですが、ずいぶん質が良くなっているので、硬さの差は今は非常に少なくなっています。難しいのはどの複合レジンをどのように使うかで、これは歯医者さんの知識と経験にまかせるものです。また、歯の治療に使う金属もいろいろあり、良く日本で使われている銀色のものは歯よりも硬く、本来は金属であれば金は歯に一番近い硬さでしかも金にはバイキンが付着しにくいという利点があり、歯の健康を考えれば、金を使うのは理想的です。しかし経済的には銀は安く、しかも色は銀色だという事です。また、歯の色のセラミックにもいろいろな種類があり、本来はその歯の状態に合わせてどのセラミックを使うかを考えて使うものです。セラミックは歯よりもかたいが、瀬戸物なので割れる可能性があります。セラミックというと今はジルコニアというとても硬いものがあり、割れないと言われていますが、ジルコニアも扱い方によっては割れてしまうものです。従って、これも、歯医者さんが判断して使うべきものです。また、歯よりも硬いものを使う場合、その歯と噛み合っている歯の状態を考える必要性があります。噛み合っている歯が削れてしまう恐れがあるからです。

クラウン、つまり歯を完全に覆う治療をする際も、元の歯が多ければ多いほどこのクラウンは長持ちします。どんな物でも何かを治す場合、元の物があまりにも無ければそれに付着させたものは取れやすいわけで、クラウンをしないといけないほど虫歯が大きい場合、その中でも虫歯が小さいうちに治す事は理に適っています。同じ理由で複合レジンで穴を埋める場合も小さい穴であったほうが大きなものよりも長持ちします。つまり何かを補強する場合、治す範囲が少なければそれだけ頑丈なわけです。

普通の人は歯の治療について深く考えはしないとは思いますが、虫歯は小さいうちに治す事が一番歯には良い事で、虫歯が大きくなってしまってもそれでも出来るだけ早く治した方がそれだけ歯は保てます。定期的に歯医者に行きチェックとクリーニングをし、虫歯があったら出来るだけ早く治す事を本当にお勧めします。もちろん、検診、クリーニング、治療のためにはお電話下さい。

 

 

 

 

 
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