冷たいものがしみるのを無くす! March 2012

冷たい飲み物やアイスクリームを口に入れると"痛い"と感じる事があるでしょうか? 一瞬痛いだけでもそれが理由で冷たいものを口に入れる事を避けている人もおられるかもしれません。確かに歯に穴が空いていたり虫歯になっていたりすればそれを治す必要性がありますが、それとは別に歯茎が下がってしまい歯の根が出てきてしまっている事で冷たいものがしみる事が多くあります。こういう場合には解決法があります。

まず簡単に歯の根の部分について書かせていただきます。歯の普通に見えている歯冠は硬いエナメル質というもので囲まれているのですが、歯茎の中に入っている歯根にはエナメル質がありません。そうでなく薄く柔らかいセメンタムというものでおおわれています。これは歯茎と歯周骨が歯根とうまく繋がる事が出来るようにそうなっているのですが、歯槽膿漏や歯ブラシで磨きすぎてしまう事によって歯茎が下がってしまうと歯の根が見えてきてしまい問題が起きやすくなります。エナメル質とセメンタムの中の象牙質という歯の部分には歯の中の神経から細い穴が外までたくさん通っています。(この穴はとても細く電子顕微鏡でしか見えません。)しかも歯の根は歯冠ほど太く無いので神経から歯根の表面までの距離はあまりありません。つまり歯茎が下がってしまいこのセメンタムが取れてしまうと冷たいものがしみやすくなります。しかもセメンタムも象牙質もエナメル質よりも柔らかいので削れやすく、また虫歯にもなりやすくなっています。

もちろん歯根に虫歯や削れてしまった事によって穴が空いていればそこは詰め物で治す必要性があります。しかしそうでなくても歯根内の象牙質が露出してしまう可能性はとても高く、冷たいものがしみやすいわけです。実際はこの場合触っただけでもまた暖かいものでも感じ得るのですが、通常まず冷たいものを感じます。一番の問題は神経から細かい穴が外まで空いてしまっている事なので、解決するためにはこの穴をふさぐ必要性があります。私達の唾液は優れていてある程度は唾液の中の成分がこの穴をふさいでくれます。また、いろいろ市販されている歯がしみるのを防ぐ歯磨き粉にもこの穴をふさぐための成分が配合されています。アメリカではSensodyneという歯磨き粉は良く知られていますし、日本にも同じものがシュミテクトという名で販売されている事を以前ニュースレターに書いています。歯磨き粉は毎日使う事によってじょじょに穴を埋めしみるのを無くすというものです。

以上の事でしみるのが防げれば良いのですが、どうもこれだけではしみるのが治まらないという場合でも出来る事が二つあります。まず、歯医者では特別な歯につける薬があります。液体やジェルのものを歯につけ、この薬が歯の穴に浸透して固まるというものがあります。この同じものを歯型に合わせたトレイに入れて自宅で歯全体にするという事も可能です。当医院ではこの液体を特に歯が敏感な方には歯のクリーニングの前後に歯に塗ることをしてさしあげています。しかしこの薬も一回つければ治るというよりも何回かつけてじょじょにしみるのが無くなるというものです。

そして、他にもうひとつ出来る事があります。ボンディングという作業を使う方法で、これは歯にうすい膜を付着させその事で細かな穴もふさぐと言うものです。ボンディングは実際詰め物を歯に付ける時に使用するものでとても良く歯に付着してくれます。従ってこれをすると効く時にはすぐにしみるのが無くなります。歯に象牙質が露出している以外の問題がある場合はこのボンディングも他の薬もしみるのを防ぐことが出来ないので、もしボンディング方法でその場ですぐにしみるのが無くならない場合は当医院ではこの作業は無料です。しかし効いてくれれば冷たいものがすぐしみなくなるので、試してみる価値があります。この方法を試したい方は当医院までぜひお電話下さい。

 

 

 

 

 
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