虫歯の進行具合 May 2011


今回は虫歯の進行具合について書かせて頂きます。たまに患者さんから虫歯の進行具合はC0からC4に分けてあるが、自分の歯の虫歯の大きさはどれに当てはまるかと聞かれる事があります。これは日本で良く使われている分類法でアメリカではこの方法は使われていません。(World Health Organization はD1からD4に分ける分類法を使っています。)この日本で使われている方法はC0が初期の虫歯、C1がエナメル質にとどまっている虫歯、C2が象牙質に達している虫歯、C3が歯髄に達している虫歯、そしてC4が歯の根しか残っていない所まで達してしまった虫歯という分類法です。

このC0の虫歯というのは虫歯というよりも歯が脱灰した状態で再石灰化する可能性があるものをさします。つまり自ら治ってくれる可能性がある虫歯と言えます。歯からカルシウムとリンが酸で溶け出すとまず歯はその部分が白い色になります。透明度が無い白色でこの部分は柔らかくもなっています。そこにまたカルシウムとリンが繋がってくれればまた硬くなりますが、このまま脱灰が続いてしまうとこの弱まった部分が広がり、歯の中にも浸透していきます。この虫歯の初期の白くなっているエナメル質は様子を診るというのが治療法なのですが、みなさんにとても気にしていただきたい歯の状態でもあります。歯医者として歯のクリーニングをしていると溜まっている歯垢を取り除くとその下のエナメル質が白くなっている事を見る事があります。毎日歯の手入れを良くし、間食にも気をつけ、キシリトールガムを噛むなどいろいろ虫歯にならないようにする事をしていればこの白くもろくなったエナメル質はまた硬くなってくれる可能性があるのですが、その逆に虫歯として穴が開いてしまう一歩手前の状態でもあります。

歯医者で6ヶ月に一度は検診をするという事には虫歯の進行をチェックするという診察も含まれています。つまり6ヶ月前には大丈夫だった箇所がどうなっているかを診ています。虫歯の進行の速さは虫歯菌がどれぐらい口内に住んでいるか、毎日の歯の手入れはどれぐらいしているか、また食生活はどうだかによってとても違います。つまり人によってはどんどん虫歯が進行してしまう場合があり、人によっては虫歯の進行はとても遅い場合があります。従って、予防としての毎日の歯磨きを良くし、やはり食事に気を配ってください。

日本で使われている虫歯の進行具合でC1つまりエナメル質にとどまっている虫歯であると痛みはまずありません。そしてC2の象牙質に入ってしまった虫歯であると、まず象牙質に達してしまった時に冷たい物や甘い物がしみるという事が起こります。以前のニュースレターでも書きましたが象牙質内でしみる理由はその中にある歯髄〈神経と血管〉から象牙質内に外に向かってたくさんの穴が開いているからで、この穴を通じて歯髄が痛みを感じているのですが、私たちの体は歯髄を守るために自らこの穴を埋めてくれる事をしてくれます。つまり象牙質に達してしまった虫歯も実際大部分痛みは無く進行します。しかしC3つまり歯髄まで虫歯が達してしまうと大きな痛みが生じます。そしてC4は根しか残っていない状態で虫歯の末期なわけです。

理想として虫歯は小さいうちに治しておきたい所です。治療も小さくて済みますし、歯へのダメージも最小限で抑えられます。本来虫歯は治すべきとわかった地点ですぐ治しておき、そしてその後は毎日の歯の手入れを良くし虫歯にならないように予防に力をいれるというのが最良です。現実的には経済的に、また心理的に、また忙しくて、といろいろな理由で、そうもいかないという事もわかります。しかしみなさん、出来るだけ歯を大事にして下さい。歯または歯茎の問題がある場合、また定期的な検診と歯のクリーニングをされたい場合は御連絡下さい。

 

 

 

 

 
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