ミリシーベルト April 2011


日本の被災者の方々に本当に頑張って下さいと応援させていただきます。また、世界中からの支援と応援があることを私はうれしく思います。今、いろいろな被害がある中で気になる事のひとつが原発の事故です。そしてよくニュースで使われているのがミリシーベルトという単位です。歯医者であればレントゲンを撮るので当然ミリシーベルトという単位を使います。そこで、今回はこのミリシーベルトとレントゲンに関して簡単に書かせていただきます。

基礎知識ですが、放射能というのは放射する能力という意味で放射能を持っている物質は放射線を出します。そして放射線には5つの種類があり、その中のひとつがレントゲンに使われているX線です。放射線の種類によって生物に与える影響の量は違うので、それを考え統一した放射線の量の単位がシーベルトです。従って、シーベルトはどれだけ人体に影響があるかを知らせる事の出来る単位なわけです。    天然の放射線を私たちは普通に浴びていて、世界中のどこにいても平均して1年間に2.4ミリシーベルトは浴びています。また、ブラジルのある町では、自然に1年間に10ミリシーベルトの放射線を浴びていますが、ここに住む人たちには問題は診られていません。飛行機で東京からニューヨークに行きまた戻るという事をすると宇宙に少し近いのでそれだけで0.2ミリシーベルトの放射線を浴びる事になります。胃のX線検査でもだいたい0.6ミリシーベルトを使いますし体全体のCTスキャンでは6.9ミリシーベルトを使います。しかも200ミリシーベルトより少ない線量では臨床症状は確認されていません。世界では1年間に医療で一人に使う量は平均して0.61ミリシーベルトなのに比べ、日本では平均して2.25ミリシーベルトととても多いというデータがあります。それでも健康に害がある量では無く、むしろ健康管理に気をくばって検診を受けているからと考えられます。 歯科のレントゲンは5年に1度は撮っておくべきという一番多い量で歯全部を撮っても0.18ミリシーベルトぐらいの放射線の量になります。実際はレントゲンの機具でX線の量は調整出来るのでその中でも多めの量を記載しました。最新の機具を使うとこの数値はもっと下がります。また、歯医者で使われている機具ではX線は小さな範囲にまっすぐに放射するように出来ていて、この放射線はそのまま体を通り抜けます。しかもX線を通さない鉛のエプロンを患者さんにはしてレントゲンを撮っているので、X線が体の他の部分にあたる可能性はまずありません。

レントゲンに関して私にはひとつこだわりがあります。レントゲンには目に見えない所が写し出されるので診察には欠かせません。しかしきちんと鮮明にレントゲンが撮れていなければきちんとした検診は出来ません。そして小さく口内で撮るレントゲンが一番鮮明に歯を写し出してくれます。日本でもアメリカでも口外を大きく回って口内全体を撮るレントゲンの方法があり、この方が患者さんにもレントゲンを撮る者にも楽なのですが、イメージはぼけた所が多く、細かい所が見えません。本来はこのレントゲンは全体の図を見るためのものだったのですが、このレントゲンを撮る場合、通常小さなレントゲンもいくつかは撮っておかしそうな所はそれでおぎなうという方法になっています。しかし、それに比べ小さいレントゲンを口内に18枚撮ると細かい所も全体の図も良く見えます。私は全部の歯をチェックする場合、きちんとした診察をするためにこの小さいレントゲンを撮る方法にこだわっています。レントゲンを撮る方法も診療もいろいろな仕方があり、ただその中での私の診療の方針に基づいてのやりかたではあります。

福島での原発は改善に向かっているようですがわからない事が多く、ほっとする事はまだ出来ませんが、日本は少しずつだが確実に復興すると信じています。今回は歯に関するというよりもミリシーベルトの単位とレントゲンについて書かせていただきましたが、もちろんみなさん歯と歯茎を大事にして下さい。毎日の歯の手入れを良くし、また、歯医者での定期的なチェックアップとクリーニングも是非して下さい。

 

 

 

 

 
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