カルシウム April 2010


私たちが口にする食物はいろいろな意味で口内の健康に関係します。やはり栄養がいきわたっていればいるほど口内だけでなく体全体が健康であり得ます。今回はその中で骨には欠かせないカルシウムについて書かせていただきます。

カルシウムは人の体内に最も多く存在するミネラルなのですが、その99%は骨と歯に存在しています。それ以外は他細胞内外にあり、実際骨と歯の組織を作っているだけでなく精神の安定や心筋の収縮の調整などにも貢献しています。また、カルシウムは毎日摂取するべきミネラルで成人の方であればだいたい1日に700mgは摂る必要性があると考えられています。(日本では700mgぐらいと考えられていますが、アメリカのFood and Nutrition Boardは1000mgぐらいと示しています。)カルシウムが体内に吸収され骨に運ばれるのにはビタミンDがいるのでもちろんビタミンDも必要です。(1日200IU(5ug)は必要でしかし2000IU(50ug)まで摂っても大丈夫と考えられています。)

確かにカルシウムは歯の構造の中の大きな一部ですが一度歯〈永久歯〉が出来上がれば形は保たれ、そこからカルシウムが体内に引き抜かれる事はまずありません。しかし骨はそうでなく、いつも新しく再生されていきます。従って、血液中、また筋肉や神経内のカルシウムが足りなくなれば骨からとられますし、カルシウムの摂取量が少なければ骨は弱まります。体全体の骨に影響するわけですが、顎の歯周骨もカルシウムが足りなければ弱まります。歯周病はまず歯と歯茎の間を犯し、次に歯周骨を犯し、骨を無くさせてしまう物なので、カルシウム不足で歯周骨が弱まっていれば歯周病はより悪化します。そして歯周病はそのままにしておけば最終的に歯のささえの骨を無い物にしてしまい歯は抜けてしまいます。歯周病になっていなくても歯をささえている歯周骨は強くあって欲しいのも確かです。

2001年に結果が発表されたアメリカのボストンでおこなわれた研究があります。3年間にわたってサプリメントとしてカルシウムを500mgそしてビタミンD700IUを毎日投与された人とそうでなかった人を比べ、この3年のうちに歯を1本以上失くした人の数を測ったものです。この研究ではサプリメントを摂っていた人たちの13%は歯を失くしているのに比べ、摂っていなかった人たちの27%が歯を失くしたというデータが出ました。ひとつの研究結果だけでははっきりはしませんが、カルシウムによって歯周骨が丈夫であれば歯を失くす可能性が少ないという事は理にかなっています。

カルシウムはチーズ、ヨーグルト、牛乳に入っていますが、それと煮干しされた魚にも多く入っています。小魚の干し物はカルシウムが多く、しかもビタミンDも入っている場合が多いので、カルシウムを摂るためにはとても優れた食物です。また、豆腐、納豆、緑の濃厚な葉野菜などにもカルシウムは入っています。

カルシウムに絞って書きましたが、実際はカルシウムで骨を強くするためにはマグネシウムも必要です。マグネシウムはカルシウム2に対して1摂るべきと考えられています。マグネシウムを多く含む食物はやはり豆腐、納豆、そしてひじき、またバナナなどです。いろいろな食物の栄養分を考え毎日の食事をするという事がやはりとても大事なわけで、それを出来れば出来るほど体全体と共に口内も健康であり得ます。しかし今現在どこまで健康な食生活が出来るかは難しいところでもあります。ですから、もしも毎日の食事が偏ったものであった場合、サプリメントでの補強もしてください。

 

 

 

 

 
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