唾液はとても大事 December 2009


普通はあまり気にしていない事ですが、唾液はとても大事なものです。そこで、今回は唾液について、また唾液の分泌が減ってしまう口腔乾燥症について書かせていただきます。

唾液にはいろいろなすぐれた機能があります。抗菌、粘膜保護、pH中和、歯の再石灰化、消化、口内清浄などいずれも大事な作業に貢献しています。また、口の中を湿らせて発音をスムーズにする、食物が唾液の中に溶けて舌で良く味わえるようにするなど唾液の働きは多くあります。唾液は食道内の逆流物を胃内に押し戻す役目もしています。

顎の左右に大きな唾液腺とたくさんの小さな唾液腺があり、そこから唾液は分泌されています。口腔内に唾液の大きな出口が頬奥左右と下前歯後ろの舌底にあり、また、口腔内の粘膜にもたくさんの唾液の小さな出口があります。そして、私たちの自律神経は口の中に食物が入ったり、食物を見たり、匂いを嗅いだり、また連想するだけでも反射的に唾液の分泌を促がすようにします。しかも、唾液は通常1日に1~1.5L分泌されています。

しかし、唾液の分泌量が下がってしまうと困った問題がおこります。抗菌と浄化作用が減ってしまうので、虫歯や歯槽膿漏になりやすくなります。また、pHの中和も歯の再石灰化も出来なくなり、やはり虫歯になりやすくします。そして消化を助けることさえも出来なくなり、胃腸にも負担をかけます。ちなみに、寝ている間は唾液の分泌量は非常に少なくなるので、口内のバイキンの数がとても増える時でもあります。従って、寝る前と朝起きた時には必ず歯を磨いていただきたいのです。朝起きた時の口臭の多くは寝ている間にバイキンがたくさん口内で繁殖している事からきます。

寝ている間口内が乾燥するのは普通なのですが、そうでなく起きている間にも多分に口内が乾燥している場合、口腔乾燥症(ドライマウス)になっていると言います。つまり唾液の分泌が減っているのですが、実際は4人に1人は多かれ少なかれなっていると考えられています。特種な病気でなる場合もありますが、ストレス、加齢、薬物の服用が主な原因です。中でも困った事に、いろいろな種類の薬が唾液の分泌を減らす副作用を持っています。降圧剤、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、鎮痛剤とたくさんあります。しかし、かといって薬物の服用が必要であればしなければいけませんし、歳はとりますし、ストレスは人生にはあります。

そこで、もしも口腔乾燥症になっている場合、誰でも出来る事がいくつかあります。歯と歯茎を守るためにやはり毎日の歯磨きとフロスは欠かせません。アルコールは口内を乾かすので、飲む事はほどほどにし、また飲む場合水分も良く摂って下さい。アルコール入りのマウスリンスも使うのは避けるか、少なくするかにして下さい。シュガーレスガムは唾液の分泌を促進してくれるので噛んで下さい。食事の際水分の摂取は欠かさないで下さい。口だけで息をしているとやはり口内が乾いてしまうので、鼻で息をするようにしてください。本当に必要であれば、唾液の役目をするというよりも口内がかさかさに乾いている感じを防ぐための人口唾液という物もあります。また、重症な方であれば、唾液の分泌を促進する薬物剤もあります。

唾液は歯と歯茎そして体の健康のためにとても大事です。唾液の機能はとてもありがたいですが、口腔乾燥症で無い方もやはり唾液だけに頼らず毎日歯磨きとフロスをがんばってして下さい。水分の摂取も誰もにお勧めです。

チェックアップ、歯のクリーニング、歯や歯茎の治療のためにはご連絡下さい。

ドライマウス(口腔乾燥症) November 2011 もご参照下さい。

 

 

 

 
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