アメリカで歯磨き剤を選ぶ際の注意 July 2009


アメリカでも日本でも薬局に行くといろいろな種類の歯磨き剤が並べてあります。 普通に“歯磨き粉”と呼んでいるのは、昔主に粉状だったからなのですが今は粉の歯磨き剤はほぼ見かけません。実際は液体状の歯磨き剤もあります。しかし最も種類が多いのはペースト状の練り歯磨き剤“toothpaste”です。私たちはアメリカに住んでいるので、今回はアメリカ製の練り歯磨き剤を選ぶ場合の注意事項について書かせていただきます。

基本的に歯磨き剤には研磨剤(清掃剤)、発泡剤、香味剤、そしてペースト状に保たせるための保湿剤、結合剤、保存料などが入っています。それに薬効成分のフッ素、殺菌剤、抗炎症剤、酵素などが加えられています。しかしこのいろいろな成分の化学薬品名をラベルで見てみますといったいこの不可思議な成分たちは何なのだと思われて当然でもあります。しかも歯磨き剤によって薬効成分はいろいろ違ってもいます。実際はアメリカ内、または日本内、の物だけでも少しずつ違いますし、まして日本製とアメリカ製の歯磨き剤ではまるで違う薬品が入っている場合があります。

しかし日本でもアメリカでも共通の物もあります。例外はあるのですが、どちらの国でも通常フッ素が歯磨き剤に入っている場合同じに2つの化学名の物のどちらかが加えられています。また、ペースト状に保たせるための成分も皆さほど違いはありません。

ですが、日本製の歯磨き剤をずっと使っていてアメリカに来てアメリカ製の歯磨き剤を選ぶ場合、いくつか注意しないといけない事があります。

アメリカでTartar Control(歯石コントロール),またWhitening(歯を白くする)歯磨き剤として販売されている物にはやはりそれなりの薬品が入っています。皆同じ成分が入っているのでは無いのですが、中には“Pyrophosphate”という薬品が入っている物があります。この成分は歯石が固まって歯についてしまう事を防いでくれるのですが、アメリカではだいたい10%ぐらいの人がこの薬品が入っている歯磨き剤を使うと歯茎が荒れてしまうか歯がしみる様になってしまうという事が知られています。しかし、この症状がない方で歯石がたまりやすい方にとってはとても良い歯磨き剤ではあります。Whiteningの歯磨き剤にも入っている場合があるのはつまりそれだけきれいにするという理由からですが、使ってみておかしいなと思われましたら使わないで下さい。私の知る限りこの薬は日本の歯磨き剤には入っていません。また、日本でもアメリカでも同じなのですが、Whiteningの歯磨き剤は掃除をしてステインを取って歯をきれいにするという物で歯の漂白とは別の物です。実際はWhitening歯磨き剤の歯を白くする効果はほんの気持ち程度ではあります。

そして、つい最近アメリカでは“Crest Pro-Health”という新しい名前の歯磨き剤を市販しだしていますが、これには歯磨き剤にとっては新しい薬が入っています。“Sodium Hexametaphosphate”とまたまた何なのだという名前の物ですが、この成分は歯に付着し薄いバリヤーを作り、歯垢や歯石を歯に付きにくくします。使ってみて問題が無ければとても良い物なのですが、この歯磨き剤も少ない数の人たちに歯茎が荒れてしまう、歯がしみるという症状を出しています。よって、使ってみておかしいと思われましたら使わないで下さい。もうひとつのアメリカの大きな歯磨き剤会社の物の“Colgate Total”は特別なPolymerが殺菌剤を歯に長い間付着させるという仕組みの物でこちらを使っている方には変な症状は見られていません。

歯磨き剤は歯の掃除を助けるものですが、歯磨き剤が歯に触れている間というのは1日のうちに数分でしかありません。よって、歯磨き剤の薬効果にあまりたよってはいけません。本当に大事なのは毎日きちんと歯を磨きフロスをする事で、歯磨き剤はその助けになっている物と考えて下さい。そして、やはり歯医者さんでの定期的な検診とクリーニングは大事ですので、そのため、また歯と歯茎に問題がある場合もお電話いただければお助けします。

 

 

 

 

 
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