喫煙と歯槽膿漏 May 2008


皆さんもタバコが体に悪い事はご存知だと思います。いろいろな病気に関係していますが、口内でもやはり悪影響を及ぼしています。そこで今回は喫煙と歯周病の非常に困った関係について書かせて頂きます。

タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。しかもタバコの煙に含まれている一酸化炭素は血液中のヘモグロビンの酸素運搬能力を大きく低下させます。つまり歯肉内の血行は不良になり歯肉の破壊が起こりやすくなります。そして血液の循環が悪くなり血液中の白血球が持つ免疫能力や治癒力を大きく弱めてしまいます。またニコチンは歯根面を覆っているセメント質と結合する性質があるためさらに歯茎を痛めやすくします。困った事にヤニが歯に付くと歯周病の原因菌が歯に付きやすくなる事も解っています。つまりタバコは歯茎を歯周病にとてもなりやすくし、歯槽膿漏が悪化するスピードを速くし、そして治療効果さえも低くしてしまうのです。歯周病は歯茎にまず炎症を起こさせそして歯をささえている歯槽骨を損失させてしまう病気なので歯を無くしてしまう大きな原因です。1990年に行なわれたある研究では喫煙者は非喫煙者よりも6倍以上の割合で歯周組織を喪失すると報告されています。そして喫煙者は非喫煙者と比べると歯を失くす可能性が2倍であるとも記載されています。もちろん喫煙量が多い方はそれだけ歯周病になる危険率が大きくなります。

しかし体に悪い事は解っていてもご存知の様に喫煙者にとってはニコチン依存症が禁煙のじゃまをします。タバコを吸っている方にはニコチンが切れるとイライラし集中できなくなり無償にタバコを吸いたくなり煙草を吸うと気分が落ち着きほっとするというニコチン依存症が起こります。しかもつい最近2007年にアメリカで発表された研究では10代の人はタバコを1本か2本吸っただけでももうニコチン依存症になりうると報告されています。つまり若いころに気軽に喫煙を試してしまうとすぐに依存症になる危険性が高いのです。ですから皆さん、そして特に若者の方は、タバコを吸うのを始めないでください。また、タバコを吸っている人の周りにいる人が吸ってしまう副流煙は喫煙者が吸う主流煙よりも毒性があるので周りの人たち、特に家族の方達、にも害をあたえてしまう可能性があります。

タバコを吸うのをやめようとしている方は本当に頑張ってください。今は禁煙のためのニコチンガムやニコチンパッチが普及していますし、医師を通じての禁煙プログラムもあります。そして歯周病の予防また治療に関してはご連絡いただければお助けします。歯に付着したヤニもきれいに除去できます。喫煙者であれば禁煙する事をお勧めしますし喫煙をした事が無い方は始めない事を強く願います。

 

 

 

 

 
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